買う

小説家・吉川トリコさん、「名古屋16話」出版 丸善で発売記念トークショー

丸善名古屋本店で「名古屋16話」発売記念トークショーを開催した吉川トリコさん(右)

丸善名古屋本店で「名古屋16話」発売記念トークショーを開催した吉川トリコさん(右)

  • 0

  •  

 小説家の吉川トリコさんが8月20日、名古屋市の16区を舞台にしたショートストーリー集「名古屋16話」(ポプラ社)を出版した。

[広告]

 吉川さんは名古屋在住の小説家。2004年に短編集「しゃぼん」(新潮社)で作家デビュー。劇場映画化された「グッモーエビアン!」や、BSフジでドラマ化された「戦場のガールズライフ」など、精力的な執筆活動を続けている。

 同書は「中日新聞ほっとWeb」で2013年から2015年にかけて連載された短編小説「東海百景 吉川トリコの名古屋16話」を一冊にまとめたもの。中区や熱田区など名古屋市内16区の街を舞台に、さまざまな家族のドラマや友情の形を描いた短編集で、第二部として岐阜、三重など東海・中部への旅を舞台にした8編のストーリーも収録されている。書籍化に当たり、連載時には無かった吉川さんの地図コラムや、名古屋在住カメラマンの三浦知也さんが写した各区の写真も新たに追加された。

 9月12日には栄の「丸善名古屋本店」(名古屋市中区栄3)6階で、出版記念トークショーを開催。ジュンク堂書店ロフト名古屋店の石本秀一店長を司会に、吉川さんとポプラ社小原さやかさんが出版までの経緯、物語の創作秘話、舞台となった街や登場人物に関する裏話などを披露した。

 「東京23区はよく聞くが、名古屋16区という表現は聞いたことがなかった」と吉川さん。「編集の方から依頼を受け、初めて自分の住んでいる街の区の数を意識した。同時期に『東京新聞ほっとWeb』で仲の良い山内マリコさんが『東京23話』を連載すると聞き、とても面白い企画だと感じた。それぞれの区に何があるのか調べて、実際にロケハンに行って風景や雰囲気を見て回った」と振り返る。

「吉川さんの作品が好きで、いつか一緒に仕事をしたいと思っていた」と小原さん。「名古屋は出張で来るくらいで、私にはそれほど馴染みがないのに、知らない街の感じが確かに伝わってくる。街を案内してもらっているようで、連載時から楽しく読んでいた。ぜひ一冊にまとめたいと思い、連載中に吉川さんに声をかけた」と話す。

 吉川さんは「普段は自分と同年代や少し下の女性の物語を書くことが多いが、今回は街を舞台に年配の方や子どもまで幅広い年代の人たちの話を書きたかった。短い枚数で毎月連載するのは初めての経験だったが、ウェブなので話に合わせて自由な長さで書かせてもらえた」と話す。

 吉川さんは会場からの質問に答え、物語に盛り込んだ名古屋ネタを選んだ理由や、登場人物のモデルとなった友人や家族との思い出など、さまざまな創作エピソードを披露。イベント終了後はサイン会を行い、ファンとの交流を楽しんだ。

 10月に市内各地で行われる本のイベント「ブックマークナゴヤ2015」では、名古屋テレビ塔で山内マリコさん、文筆家の甲斐みのりさんと街をテーマにしたトークショーを予定している。

 仕様は四六判、256ページ。価格は1,620円。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース