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バイオリニスト前橋汀子さん、愛知県芸術劇場で公演  クラシックの魅力を身近に

愛知県芸術劇場でコンサートを開催する前橋汀子さん

愛知県芸術劇場でコンサートを開催する前橋汀子さん

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 バイオリニストの前橋汀子さんが9月22日、栄の愛知県芸術劇場(名古屋市東区東桜1)コンサートホールで「前橋汀子ヴァイオリン・デイライト・コンサート」を開催する。主催は「@FM」。公演に先立ち、前橋さんがコンサートの見どころを語った。

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 前橋さんは1961年に17歳で旧ソ連国立レニングラード音楽院(現サンクトペテルブルク音楽院)に日本人初の留学生として選出され、ミハイル・ヴァイマンさんに師事。その後、ニューヨーク・ジュリアード音楽院で学び、カーネギーホールで演奏会デビューした。以来、日本を代表するバイオリニストとして国内外で活動。2012年には演奏活動50周年を迎え、現在も精力的にステージに立っている。

 今回の公演は休日の昼下がりにクラシックを楽しんでもらうバイオリン・リサイタル。多くの人にクラシック音楽の魅力を伝え、身近に感じてもらうことをテーマに名曲をラインアップ。誰もが聴いたことがある旋律を、前橋さんの円熟の演奏で届ける。
 前橋さんは「きっかけは10年前に東京で始めたアフタヌーンコンサート。日本ではバイオリンの生の演奏を聴いたことがない人がまだ大勢いるのではないかと感じ、何とか会場に足を運んでもらいたいと企画した。当時のCD1枚くらいの値段で気軽に楽しめるコンサートとして、大阪、名古屋でも開催するようになり、今年で11年目を迎えた。名古屋では4回目の公演」と話す。

 曲目は「愛の挨拶(あいさつ)」(エルガー)、「亜麻色の髪の乙女」(ドビュッシー)、「ラ・カンパネラ」(パガニーニ)などバイオリンの魅力がたっぷりと楽しめる曲のほか、「枯葉」「イエスタデイ」「愛の賛歌」など懐かしの名曲のメドレーを演奏するという。
 「あまり難しい曲よりも聴き覚えのあるような曲を選んだ。クラシックの曲はフィギュアスケートに使われたり、BGMとして流されたりしている曲も多い。名曲メドレーは、ビートルズやミュージカル『ウエストサイドストーリー』など、年配の音楽ファンの青春時代を象徴するような曲を演奏する」と前橋さん。「バイオリンの魅力とすごさが伝わる名曲ぞろい。例えばバッハの『シャコンヌ』は1700年初頭に作られ、300年以上たっても人々の心の中に生き続けている究極の曲。それを1736年にイタリアで作られたバイオリンで演奏する。マイクを通さない生のバイオリンの音を体験してほしい」とも。

 パイオニアとして50年以上をバイオリンにささげてきた前橋さん。「今でこそ多くの演奏家を日本で聴くことができるが、50年前は会場もあまり無くて、日本中が音楽に飢えていた。旧ソ連に留学したのも、ついこの間のように思える。そんな時代から演奏して、今も弾き続けているのだから、パイオニアなのかも。今もこうして演奏することができるのだから、一人でも多くの方にバイオリンの生の音を聴いてもらいたい」と笑顔。

 最後に前橋さんは「今はいろいろなジャンルの音楽があり、さまざまな手段で聴くことができる。機会が広がった分、本当に純粋なクラシック音楽を維持していくのは、努力が必要な時代になっていると感じる。バイオリンがいかに多彩な表現のできる楽器なのかを伝えるコンサートにしたい。皆さんと音楽とのすてきな出合いの日になれば」と話し、多くの来場を呼び掛けた。

 13時30分開演。料金は3,000円。未就学児童は入場不可。

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