栄の映画館「センチュリーシネマ」(名古屋市中区栄3)で3月15日、映画「モヒカン故郷に帰る」の舞台あいさつが行われ、沖田修一監督と主演の松田龍平さんが登壇した。
「南極料理人」「横道世之介」の沖田監督が自らオリジナル脚本を書いて撮影した同作。瀬戸内海の小島を舞台に、不器用にぶつかり合いながら絆を深めていく家族の姿を描くドラマ。松田さんがモヒカン頭の主人公を演じることも話題となっている。
売れないバンドマン永吉(松田さん)は、妊娠した恋人・由佳(前田敦子さん)を連れて7年ぶりに故郷の戸鼻島に帰る。永吉は父・治(柄本明さん)、母・春子(もたいまさこさん)、弟・浩二(千葉雄大さん)に結婚を報告するが、のらりくらりした態度に父が怒りだして親子げんかになる。結婚を祝う大宴会の夜、永吉は父が倒れているのを発見。病院での検査でがんが見つかる。
松田さんと沖田監督は満員の会場からの拍手の中、登壇。松田さんは「この映画を劇場で上映できて幸せ。今日は楽しんでほしい」とあいさつ。沖田監督は「これから公開なので、まだ緊張してふわふわしている。物心つく前に引っ越してしまったが、豊橋生まれの愛知出身。今日は舞台あいさつができて、うれしい」と笑顔を見せる。
「父と息子は好きなテーマ」と監督。「ストレートなホームドラマを撮りたいと思い、脚本を書き始めた。家族の配役は脚本を読みながら想像してオファーした。みんな好きな俳優で、ご一緒できてうれしかった」と話す。
「永吉はいざという時に頼りがいがある男で、好きな役」と松田さん。モヒカン頭については「仕事柄いろいろな髪型をするが、モヒカンは初めてでうれしかった。髪型をびしっと決めて、そこから役に入っていった」と話す。監督は「モヒカンには意外とバリエーションがあって、色や形を2人で話し合って決めた」と振り返る。
最後に2人は「笑えるところがたくさんある作品なので、いっぱい笑って温かい気持ちになって帰ってほしい」(松田さん)、「去年の春ごろに撮影をしている時はできるのか不安だったが、無事に完成して見てもらうことができる。面白かったら、周りの人に声を掛けていただけたら」(沖田監督)と多くの来場を願い、会場を後にした。
4月9日から全国ロードショー。