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栄で映画「ぼくと魔法の言葉たち」トーク付き先行上映 世界自閉症啓発デーで

センチュリーシネマで開催された「ぼくと魔法の言葉たち」トークイベント付き特別先行上映

センチュリーシネマで開催された「ぼくと魔法の言葉たち」トークイベント付き特別先行上映

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 栄の映画館「センチュリーシネマ」(名古屋市中区栄3)で4月2日、映画「ぼくと魔法の言葉たち」のトークイベント付き特別先行上映が行われた。

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 同映画は自閉症の少年オーウェン君が家族のサポートの下、大好きなディズニー・アニメーションを通じて徐々に言葉を取り戻し、自立していく姿を描くドキュメンタリー。アフリカ系アメリカ人監督として初めてアカデミー賞ドキュメンタリー短編賞を受賞したロジャー・ロス・ウィリアムズさんがメガホンを取り、「リトル・マーメイド」「ライオン・キング」などディズニーの15作品が劇中に登場する。

 同企画は自閉症をはじめとする発達障がいについての理解を広げる「世界自閉症啓発デー」に伴う特別先行上映。子どもたちの発達援助を行うNPO法人「アスペ・エルデの会」と中京大学の学生たちが主催した。上映終了後にはアスペ・エルデの会代表の辻井正次中京大学現代社会学部教授と堀田あけみ椙山女学園大学国際コミュニケーション学部教授、自閉症当事者らが登壇してトークを行った。

 映画について辻井教授は「自閉症の方はコミュニケーションがうまく取れないことが、生活の難しさにつながる。オーウェン君の場合はディズニー・アニメが切り口となって、コミュニケーションのコツを覚えていった。この映画を見ると、コツを覚えていくということが、自閉症の方にはとても大事だということが分かる」と解説。自らも自閉症の子どもを持つ堀田教授は「とても温かいフェアな目で描かれている作品。オーウェン君と家族の良いところも悪いところもフラットに見せて、あなた方はどう思いますかと観客に投げ掛けてくれる。とても貴重な映画だと感じた」と話す。

 辻井教授は「オーウェン君はグループホームを利用して自立へ向かったが、日本はこういった受け皿がまだ整っていない。仕事をすることができても、家族の助けなしに家事などの生活もこなして自立することはとても難しい。生活状況を確認できるようなアプリを開発するなど、さまざまな取り組みを行っているが、受け皿の在り方を考え、自立をどのように支援していくのかを真剣に考えていかなければいけない」と呼び掛けた。

 この日、栄地区では自閉症への理解を呼び掛けるイベント「Light It Up Blue2017」を久屋大通公園で開催。もちのき広場でトークイベントや音楽のライブを行い、栄の代表的モニュメント・名古屋テレビ塔をブルーにライトアップした。関連企画として4月11日から東桜会館(東区東桜2)で、全国から寄せられた自閉症の作家らの作品を展示する「オーティズムアート展」を開催する。4月16日まで。

 映画「ぼくと魔法の言葉たち」は4月8日からセンチュリーシネマで公開。11日10時25分の回では一般興行の映画館では日本初となる「フレンドリー上映」を実施する。同上映では障がいを持つ人や小さい子ども連れの人も気兼ねなく映画を鑑賞できるよう、照明を通常より明るく設定。席を立ったり、声を出したりすることも自由にできる。当日は視聴覚障がい者向けの「UDcast方式」による音声ガイドにも対応する。

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