製法で特許を取得したエスプレッソなどを提供するコーヒー専門店「SOUTHLAND(サウスランド)」(名古屋市中区栄5 TEL052-938-9951)が9月9日オープンした。
同店のルーツは、1983年から一宮で出店しているコーヒー店で、「オンリーワンのコーヒーを作りたい。そのためにはほかと比べることなく、自分の中で基準をつくる」というオーナーの湯沢さんの考えのもと展開してきた。その後、湯沢さんは東京・銀座、大阪・心斎橋にあるエルメスのビル内のカフェでもコーヒーを提供。その実績を持ち、今回、地元である愛知県で新店のオープンに至った。
使用するコーヒー豆は5種類の豆を自家焙煎(ばいせん)したブレンド。1種類ずつ焙煎し、その後割れてしまった豆などの「くず豆」を手作業で取り除く手間のかかる作業を行う。「くず豆があると雑味の原因になる。雑味がうつらないように焙煎してから1時間以内に行う」(店長の武田さん)という。メニューには焙煎してから1週間以内のコーヒーを使用し、「おいしいかどうかはお客さんの価値観。コーヒーも生鮮食品と考え鮮度が大切。いいものは広がる」と湯沢さん。
このブレンドコーヒーで、エスプレッソ、冷たいコーヒーなど全メニューを展開。「通常は、アイス専用など専用の豆を使用することが多いが、当店では試行錯誤を繰り返し、万能コーヒーを作った」(武田さん)。200グラム=2,000円で、豆の販売も行う。「割高だがその価値はある」とも。
看板メニューであるエスプレッソは、製法において日本とアメリカで特許を取得。クリーミーなボリュームのあるクレマ(泡)が特徴。湯沢さん自らがイタリアから輸入した、日本では取り扱いのない高スチームのエスプレッソマシーンを使用する。「短時間で泡を作ることができるのでスチームを最小限に抑え、スチームドミルクも水っぽさを感じさせない」(武田さん)。
店舗面積は約20坪。店内にカウンター席(12席)、外にテラス席(8席)を設ける。カウンター席で使用しているいすは、1950年代のフランスのデザイナー、ジャン・プルーヴェのオリジナル作品で、「このいすをまず見つけ、これに合うように店内のイメージを作っていった」(武田さん)。店内には、コレクターでもある湯沢さん所有のアート作品をディスプレーしている。そのほか焙煎前の豆と「くず豆」も展示、「特に説明書きなどはないがお客さまからよく尋ねられ、説明する」(武田さん)という。
主なメニューは、カフェ エスプレッソ(400円)、カフェ カプチーノ(500円)、ブレンド珈琲(500円)、冷たい珈琲(550円)など。コーヒーゼリー、コーヒーアイス、無糖のホイップが層になった珈琲ジェリー(600円)は、「男性客にもおすすめ」(同)だという。エスプレッソは「砂糖を入れてよくかき混ぜ、一気に飲み干し、クレマもスプーンでかき集め召し上がってください」(同)とも。ドリンク中心のメニューであるため、サンドイッチなどの軽食、ケーキなどを持ち込むことも可能。
営業時間は9時~20時。