名古屋テレビ塔(名古屋市中区錦3)が新たに「恋人の聖地」に選定され、11月20日、同塔のスカイバルコニーで記念モニュメントの除幕式と認定書授与式が行われた。
「恋人の聖地」は、NPO法人地域活性化支援センター(静岡県静岡市)が2006年4月1日より開始した、地域活性化と少子化対策を目的とした「恋人の聖地プロジェクト」によるもの。各地域を代表する公共性のある観光施設や地域を中心に「恋人の聖地」を設定し、カップルに対し魅力のあるデートスポットやプロポーズの場所を提供する。現在、六本木ヒルズ展望台東京シティビュー(東京都)、梅田スカイビル(大阪)、愛国駅・幸福駅(北海道)など日本全国と海外で66カ所に広がっている。「ただ選定するだけではなく、認定された後の地域活性化の活動を継続して展開してもらうことが重要」と同法人の鈴木さん。
名古屋は魅力のあるデートスポットが少ないという思いから、同社広報の城戸さんが「恋人の聖地」の話を持ちかけた。同社大澤和宏社長は「若い女性社員の意見から始まり、自分で『恋人の聖地』を調べていくと、名古屋テレビ塔にふさわしい企画だと思った」と振り返る。「名古屋は元気だと言われるが、それは高層ビルが近年オープンした名古屋駅エリアのこと。江戸時代からの文化も大切にする栄、久屋エリアは静かで活性化の必要がある。また、全国と比べると名古屋の少子化は進み、出生率も下がっている」とし、こうしたことから「恋人の聖地プロジェクト」の目的は名古屋が抱える課題に当てはまったという。「常に名古屋のランドマークであるためには、地域の課題に対応したものでなくてはならない」とも。
発表には、選定委員の一人であるファッションデザイナーの桂由美さんがゲストとして参加。「恋人の聖地は、海など風景がきれいなところ、遊びや食事のできるアミューズメントスポット、そして市街地では展望台など高層ビルなど高いところ、という3つのポイントにまとめられる」とし、同塔を選定した理由について、「以前、東京でプロポーズをする場所のアンケートを行った結果、高いところが上位に。夕日や夜景など、プロポーズを後押しする条件が名古屋テレビ塔も当てはまった」(同)。また、「認定後の年間にわたるプロジェクトも期待ができる」とも(同)。
同日のセレモニーには、初デートとプロポーズ、さらに結婚式を同塔で挙げたという小林夫妻が招待され、「これだけ記念すべきイベントを行っているため、見るたびに思い出すし、大切にしたいと思う」とコメントした。桂さんから「プロポーズの言葉は?」と突然質問され、照れながら「一生幸せにします。俺に付いてきてくださいと、言いました」と答えるシーンも。今週末には、同塔がリニューアルしてから100回目を数える結婚式が行われる。
同塔は来年から、「新年の誓いのイベント」(1月)、「バレンタインイベント」(2月)、「ラブレターを送り合おうイベント」(5月)など、「恋人の聖地」としてカップルに向けたイベントの充実を図っていく予定。
営業時間は10時~22時。12月20日~24日は23時まで延長する。