名古屋を拠点に活動するフォトグラファーの渡辺裕之さんが、スコッチウイスキーで有名なアイルランド・アイラ島を舞台にしたDVD作品「シングルモルトのある風景 01:アイラ島編」を制作し、現在ネットなどで販売している。渡辺さんはカンヌBEST WEB FILM賞を受賞した経緯も持つ。
「かねてからスコッチウイスキーがお酒の中で一番好きで、夢のような話だがいつか現地に行って蔵出しを飲んでみたいと思っていた」という渡辺さん。スコッチが生まれる土地、風景、人を見たく、自分が行けばきっといい画が撮れるという思いで企画した。その時にハイビジョン映像の撮れる一眼レフカメラを手に入れたことが決定的な後押しとなり、好きなスコッチウイスキーの銘柄の故郷、アイラ島に渡った。
映像には、広大に広がる草原や、ゆるやかに流れる時間、その土地で食べた食事や伝統的な料理、地元の人、バーなど、渡辺さんが目にしたアイラ島の魅力を映像と写真で構成し、同DVDのために作られた音楽にのせ紹介。「自然が豊かで、牛、羊、鳥、ハリネズミ、おまけにクジャク、すべて道端にいて、島で会った人より多かったんじゃないかと思うくらい」と渡辺さん。
島内の蒸留所で撮影したウイスキー作りは、簡単な解説をテロップで付け紹介。ウイスキーができていく工程のほか、現場で働く人々の表情や作業風景、貴重な設備などを映し出す。そのほか、撮影中に偶然出会った父親の80歳の誕生日にアメリカから来た親子の幸せな一幕も収める。
「島国スコットランドの中でもさらに小さな島なので、今時の文明から隔離されて昔に近い文化、生活が残っていていた。人や時間がとてもゆったりしていてとてもほっとできた。水も風もとてもきれいで、島のどこにいても海流が感じられたのも良かった」「とどめに、カキ、エビ、魚、ラム、スープ、豆、パン…うまかった」。
撮影を行った6月後半、アイラ島では陽が長く11時過ぎまで明るかったという。「撮影を終え、ご飯を食べいろいろスコッチを飲むのだろうと思っていたが、陽が長く撮影に専念していたため、そんなに飲めなかった」というエピソードも。
「まずはスコッチ好きの大人に。アイラモルト(アイラ島のシングルモルトウイスキー)を飲みな がら、いい感じに照明を落としてゆったりと座り大きな画面で楽しんでほしい」。本編約33分におまけクリップが付く。価格は2,625円。購入は、「スリー・シックスティ」サイトから。