ヤマザキマザック、新栄に私設美術館-コレクション300点展示

18世紀の絵画を中心に展示する「赤い部屋」

18世紀の絵画を中心に展示する「赤い部屋」

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 新栄に4月23日、工作機械メーカー「ヤマザキマザック」(丹羽郡)の私設美術館「ヤマザキマザック美術館」(名古屋市東区葵1、TEL 052-937-3737)がオープンした。

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 2フロアで構成される同館の1フロアの面積は約570平方メートル。館内には同社の山崎照幸会長がコレクションしてきた絵画や家具、ガラス工芸など約300点の美術作品を展示する。美術品の収集は、30年ほど前にピエール・ボナールの絵画「薔薇色のローブを着た女」購入したことがきっかけで始めたいう。

 建物の4階・5階を使う同館。5階には、ヴァトー、ブーシェ、フラゴナール、シャルダンといったフランスのオールドマスターをはじめとするロココ時代から、新古典主義のアングル、ロマン主義を代表するドラクロワ、写実主義、印象派、エコールド・パリなど、18世紀~20世紀の絵画を年代順に展示し、「フランス美術の200年の流れが一望できる」展示方法を採用した。

 4階にはエミール・ガレなどのアール・ヌーボーのガラス工芸、家具などを展示。家具の展示では、「使用していた当時の雰囲気がわかるように」と部屋のように家具を配置したり、食器類を置いたりしているのも特徴。

 「フロア内は作品ありきで建物を設計しているので、天井の高さや、壁布のカラー、ソファやシャンデリア、木の床に至るまで、作品にぴったりマッチする造りにこだわった。当時のフランスのサロンそのままの雰囲気を再現した空間になっている」と同館企画室の足立明日香さん。

 館内に展示されている絵画で最も大きいものは、約2.5メートル四方のフランソワ・ブーシェの絵画「アウロラとケファロス」。5階の天井高は、同作品の大きさに合わせて約5.5メートルの高さで設計されている。「全国的に見ても、ここまで展示方法にこだわっている美術館は珍しいのでは」(足立さん)。

 展示している絵画は全て「筆跡や色彩を、作者と同じ目線で間近にみてもらえるように」と額からガラス板やアクリル板などをはずしているほか、フラッシュをたかなければ作品の撮影も許可している。「ゆくゆくは学生さんなどに模写をしていただけるような機会も検討している」とも。館内で音楽の演奏会も企画しているという。

 そのほか、作品の背景や物語性を聞くことができる無料の音声ガイドを設置しているほか、同館2階には美術コレクションに関する書籍もそろえ、希望者は申し込みをしたうえで閲覧することができる。

 開館時間は10時~17時。入場料は、一般=1,000円、18歳未満=500円、小学生未満は無料。月曜休館。

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