名古屋市科学館(名古屋市中区栄2、TEL 052-201-4486)で10月14日、中部地区初となる小惑星探査機「はやぶさ」の地球帰還カプセルなどの展示が始まり、整理券を求める人たちで行列ができた。
2003年、未知の小惑星「イトカワ」に着陸し、サンプルを持ち帰ることを目的に打ち上げられた「はやぶさ」。燃料漏れでいったん地球との通信が途絶えるもその後回復、さまざまなトラブルを乗り越え6月13日、7年の歳月を経て見事地球に帰還した。オーストラリアのウーメラ砂漠に着地したカプセルは、JAXA相模原キャンパス内の施設で開封作業が行われ、内部に収められた容器から微粒子が確認されているが「イトカワ」の物質であるか調査中だ。
今回の展示物は4点。宇宙から帰還したカプセル本体部分で、この中にパラシュートがドーナツ状に収納され中央にはイトカワのサンプルを収める筒状のサンプルコンテナがあった「インスツルメントモジュール」、カプセルを操作するための頭脳のような部分「搭載電子機器部」、着陸時に開いた「パラシュート」のほか、地上試験などを行うために制作された「エンジニアリングモデル」も展示する。
同館天文係長の野田さんは「7年間、60億キロの宇宙の旅を終え地球に戻ってきた実物を目の前で見ることができる。とても貴重なものなので、この機会に多くの人に来館いただければ」と呼びかける。
展示初日となる14日、整理券配布前から多くの人が詰めかけ、配布開始の9時には400人の行列ができた。カプセル帰還から4カ月過ぎた今でも、「はやぶさ」に対する関心の高さをうかがわせている。
公開時間は9時30分~17時。入場無料。当日分の整理券を9時から配布する。展示物の写真撮影(携帯電話を含む)は禁止。今月18日まで。