大須商店街内の「萬松寺(ばんしょうじ)」(名古屋市中区大須3、TEL 052-262-0735)で2月5日、からくり人形師・九代目玉屋庄兵衛さんを迎え、同寺住職との対談イベントが開催される。
2008年より故障した状態だった萬松寺のからくり人形「信長」の修復を、昨年玉屋さんが手掛けたことが縁となり今回の対談イベントが実現した。万松寺のからくり人形は先代の八代目玉屋庄兵衛が制作したもので、故障時には八代目は他界しており、十分な資料やデータが残っておらず修復は困難と諦めかけていたが、実弟の九代目に依頼し、半年以上の期間を要し昨年末に修復が完了した。
初代の玉屋庄兵衛は京都出身の人形師で、江戸時代に名古屋に移り、代々この地でからくり人形の制作や修理、復元に携わっている。九代目は名古屋市北区に工房を構え、尾張地方のさまざまなからくりの制作や復元や、国内外で講演や実演など啓蒙活動など幅広く活動。国内では、国立科学博物館へ復元茶運び人形寄贈、愛地球博愛知県パビリオンのからくり制作も手掛け、海外ではディズニーワールド日本館でのからくり実演、大英博物館での講演をはじめ、昨年もドイツやポルトガル、イタリアなどでからくりの公演を行い、各国で高い評価を得ている。
今回のイベントは萬松寺で開催している「大人の寺子屋」の特別版として行われ、萬松寺住職が聞き手となり、からくり人形修復の苦労話、からくり人形の魅力をはじめ、からくり人形を通して見る日本の伝統文化やものづくり精神などの話題で構成。萬松寺所蔵の「茶運び人形」(八代目制作)の実演も予定する。
開演は13時50分。入場無料(先着100人)。萬松寺の境内と万松寺ホームページで申し込みを受け付けてる。修復が完了した万松寺のからくり人形「信長」は現在、10時から18時まで2時間おきに上演している。