NPO法人「大ナゴヤ大学」(名古屋市中区大須3)が名古屋テレビ塔とその周辺の活性化を目的としたプロジェクト「SOCIAL TOWER PROJECT(ソーシャルタワープロジェクト)」を立ち上げ、9月28日にフリーの新聞「SOCIAL TOWER PAPER(ソーシャルタワーペーパー)」を名古屋市と共同で創刊した。久屋大通りを中心とした栄エリアの魅力を発信することを目的に発行する。
プロジェクト発足の経緯について、ソーシャルタワー事務局の生駒郁代さんは「昨年、テレビ塔がアナログ放送の電波塔としての役目を終えた時に、大ナゴヤ大学では『終わりは始まりプロジェクト』と題し、テレビ塔をテーマにした授業や市民アンケートを行った」と振り返る。「その際、存続するにしても撤廃するにしてもお金がかかるテレビ塔だが、やはりこの塔は栄の、名古屋のシンボルだから残したいという意見が多かった」とし、「でも同時に久屋大通公園のあり方についても『もっとよくした方がいい』という意見も多く集まった。大ナゴヤ大学としても何かしたいと考えていた折に、名古屋市が久屋大通り周辺の活性化を目的とした企画公募を行っていたので、企画を考えて公募に参加したのがプロジェクト発足のきっかけ」と話す。
プロジェクトでは、新たな役割を求められているテレビ塔により新しい価値を生み出すべく、「名古屋テレビ塔に新しいカタチの社交場を」というコピーを据え、人々が集まり交流できる場作りと、栄の街と人を紹介する新聞の発行を軸に置いた。
「社交場のような場づくり」として10月20日・21日、テレビ塔の下で「ソーシャル・タワーマーケット)を開催する。「名古屋周辺にはさまざまな魅力をもったショップや作家さんが多くいる。今回のマーケットでは、一般公募のフリーマーケットではなく、一軒一軒こちらから声を掛けさせていただき集めた出店者で構成する」という。
同紙では、「ただの店紹介にしたくなかった」ため、栄で仕事をしたり生活したり遊んだりしている7人を事務局でセレクトし、それぞれの栄のお気に入りの場所を紹介してもらう手法を選んだという。「いろいろな人に読んでもらいたいので、年齢や職種など偏ることなく、街を楽しんでいる方々に声を掛けた」といい、「人が街をつくっているということ発信できるように、人を中心とした紙面構成を心掛けた」と話す。「新聞を通して、読んでいただいた方がまた、その人なりの街の魅力を発見できるきっかけになれば」と期待を込める。
体裁はタブロイド版、オールカラー・32ページ。現在、名古屋テレビ塔のほか、栄を中心としたカフェや雑貨店など約200カ所で配布している。配布場所はホームページで確認できる。