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伏見ミリオン座で映画「カラスの親指」-阿部寛さん、村上ショージさん来名

来名した阿部寛さん(右)と村上ショージさん

来名した阿部寛さん(右)と村上ショージさん

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 伏見の映画館「伏見ミリオン座」(名古屋市中区栄1、TEL 052-212-2437)ほかで11月23日から、映画「カラスの親指」が全国公開される。公開に先立ち出演の阿部寛さん、村上ショージさんが来名し、会見を開いた。

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 同作は直木賞作家・道尾秀介さんの同名小説が原作。一つ屋根の下に集まった5人の男女が、カラス(プロの詐欺師)となって一大計画に挑むミステリー・エンターテインメント。道尾さんは同作で第62回日本推理作家協会賞を受賞している。「男はつらいよ」シリーズの助監督などを務めてきた伊藤匡史監督が、映像化が難しいといわれてきたコンゲーム・ミステリーの映画化に挑戦した。阿部さん、村上さんの異色の組み合わせのほか、石原さとみさん、鶴見辰吾さんら個性的なキャストの共演が注目の映画だ。

 悲しい過去を背負い、ごく普通のサラリーマンからサギ師になったタケ(阿部寛)と、成り行きでコンビを組むことになった中年の新米詐欺師のテツ(村上ショージ)。そんな2人の元に、ひょんなことから美人姉妹とのっぽの青年が転がり込んでくる。他人同士の奇妙な5人暮らしは、つかの間の温かな日々となるが、タケの暗い過去の因縁がじわじわと迫ってくる。追い詰められた5人は一世一代の計画で反撃する。

 「麒麟の翼」のシリアスな刑事役、「テルマエ・ロマエ」のコミカルな古代ローマ人役と幅広いキャラクターを演じてきた阿部さん。同作では影を背負った詐欺師役に挑戦した。「過去の悲惨な出来事で心に傷を負った人間が、社会からあぶれながらも、前を向いて生きていく。暗さも明るさも両方あり人間的で、こっけいな姿に生命力を感じた。今までやったことがない役で、自分の演技の経歴にしてみたいと思った。ショージさんが演じたテツと一緒に支え合っていくことで、さらに人間味が出せた」と話す。

 村上さんの演技には「関西弁を封印されたショージさんは羽をもがれた鳥。見ていてかわいそうだったけれど笑ってしまった。でも、標準語で取り組むショージさんは確かに演者だった。普段から言葉を操る仕事をしているので、確かに届いてくる」と笑顔の阿部さん。

 村上さんは「せりふが多すぎて覚えられないと思い、減らしてほしいと頼んだが駄目だった。自信はなかったし、プレッシャーを感じた」と会見場を笑わせながら「苦労ばかりだったけれど、作品が出来上がると全てが報われる。何十日もかけて寝る間も惜しんで、みんなで一つのものを作り上げるすごさ。そこに参加できて、いろいろな財産ができた」と振り返った。

 伊藤監督について阿部さんは「若手にもベテランにも、しっかりと演出をしてくれる監督。完成した映画を見るとカメラワークが絶妙で、人物がそこにいた。試写を見るといつも反省ばかりなのに、今回は監督にお礼を言いにいった」と絶賛。村上さんは「みんなが優しくて、とても楽しい現場だった。阿部さんが誘ってくれるなら、また映画に出てみたい」と話す。ただし、お笑いコンビ「タケ&テツ」の結成は、すでに断られたという。

阿部さんは「観客がだまされるミステリーの面白さのほかにも、いろいろな部分が楽しめる映画。主人公たち5人は心に傷を持っているが、ずっとそれを引きずって暮らすのではなく、人前では明るく振る舞う。そこがとても人間らしくてリアル。すがすがしさや応援したくなる気持ち、心が癒やされる感覚を受けとってもらえるはず」と見どころを話し、映画館への来場を呼び掛けた。

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