大須商店街仁王門通沿いにある「描けて読める」漫画喫茶「漫画空間」(名古屋市中区大須2、TEL 052-231-7781)が、コメ兵(本社=大須3)とコラボし、コメ兵の新卒向け会社案内を漫画で制作した。制作期間約3カ月を要した今回の会社案内は、62ページ中48ページが漫画という斬新な会社案内だ。
漫画空間に制作を依頼したきっかけについて、同社人事部の水澤清隆部長は、「学生さんに弊社の良いところをどういう風に伝えようか悩んでいたところ、以前から存じ上げていた同喫茶へお願いしたらどうだろうと考え、約1年前に構想を打診し、いいお返事をいただけた」と振り返る。
漫画での会社案内を作ることになった経緯について水澤部長は、「『大須=サブカルチャー』というイメージがある街。弊社は大須にお世話になっているので、大須の街を盛り上げて貢献できれば、同時にサブカルチャーをも盛り上げていくことができれば、という考えが頭の中にあったことがきっかけ」と話す。「『漫画』を使うことで、大須に来ている漫画家さんたちのお役に立てるのではないかと考えたことと、そうした関係性の輪を広げていくことで、サブカルチャーの中にコメ兵もあるということを発信できる。大須の街は私たちも好きなので、なんとか盛り上げていけたらいいなというのを常日頃考えていたことからの発想」 とも。
漫画では、事業案内や、リユースのシステムについて、社員や採用メッセージなどを紹介。数人の漫画家が分業で作画を担当している。「『社員が仕事を通して成長していく姿』や、『弊社が求める人物像』を漫画だからできる表現で、分かりやすく伝えることができている。文字や写真だけでは伝えきれない描写が多く盛り込まれている」といい、「合同企業説明会などで勧誘用の見開きチラシとして漫画を配っているが、読んでいる学生さんも結構多く、非常に良い手応えを感じている」と話す。
「今後は、社内の接客マニュアルなどを漫画で作成したらどうかなど、ほかでの応用も検討している」といい、「これを機会に、大須から漫画文化を広めていけるような貢献をしていきたい」とも。
漫画空間の店主・内藤泰弘さんは、「今までもちょこちょこ営業資料や販促チラシ、DMなどいろんな漫画化の話が来ていたが、今回、コメ兵さんの会社案内をきっかけに、本格的に漫画作成の請負部隊『漫空線隊 画レンジャー』を始動したい。これは、漫画家12人で構成されるもので、製品取扱説明書の漫画化など、さまざまな企業や自治体とのタイアップを増やしていければ」と、今後の広がりに期待を寄せた。
同案内は会社説明会などで新卒採用者向けに配布する。