「街中がキャンパス、誰でも先生誰でも生徒」を活動の軸に掲げるNPO法人「大ナゴヤ大学」(名古屋市中区大須3、TEL 070-5459-8213)は4月1日、これまで代表職となる「学長」を務めていた加藤慎康さんが代表を退き、新しく加藤幹泰さんが就任、コンセプトも心機一転し新しい「大ナゴヤ大学」としてのスタートを切った。
「これまでは『街と人々をつなげていくプラットフォーム』としての活動に重点を置いてきたが、これからはより『人』にフォーカスを当てた活動をしていきたい」と話す新学長の加藤幹泰さん。新コンセプトも「名古屋を面白がる人を増やす」に決め、「より街の人の顔が見える企画、人と人とをつないでいく活動を展開していく」という。
名古屋市出身の加藤幹泰さんは、高校卒業後にアメリカへ留学、その後戻って来た名古屋で求人の営業の仕事に就き、転勤で大阪へ。退職後、2011年から1年間、大阪のNPOでまちづくりの仕事に携わっていたという。その際に、「自分はあまり名古屋が好きではなく、大阪などにいても名古屋を誇ることがなかった」と思い、「もっと自分の街を見なければ」と、昨年名古屋に戻ることを決意。大ナゴヤ大学の扉をたたいた。
ちょうど時を同じくして、前学長の加藤慎康さんが「丸3年の活動期間を経て、団体としても自分自身としても次のステップへ進もうと模索していた」(加藤慎康さん)こともあり、次期学長候補を探していた慎康さんと運営スタッフらから、幹泰さんへ学長就任への打診があったという。
「名古屋をもっと面白くしたいと思って、大ナゴヤ大学の活動に関わっていたので、声を掛けてもらった時は正直戸惑いもあったが、慎康さんらの思いに共感し、思いきって引き受けた」と幹泰さんは振り返る。「自分が『学長』として関わることで、自分と同じように名古屋があまり好きではないと思っている人たちに、『名古屋って面白い』と思ってもらえるきっかけをもっともっとつくっていきたい」と意気込む。
「名古屋の人たちは、東京や大阪など、どこかほかの都市と比べて『面白いか面白くないか』を確認している節がある」と幹泰さん。「自分もこれまではそうだったが、昨年大ナゴヤ大学で展開した『SOCIAL TOWER PROJECT』への参加や、さまざまな人との出会いや交流の中で、名古屋独自のオリジナリティーあふれる魅力がそこかしこにあることに気が付いた。ふらっと自転車で通りかかった路地にさえ、そうした魅力は潜んでいる。決して派手ではないけれど、そうした街の息遣いが聞こえるような魅力を見つけて発信しながら、『名古屋の街も捨てたものじゃない、もっとありのままの姿に目を向けると楽しいことが見えてくる』ということを伝えていきたい」と話す。「とにかく多くの人に、もっと街に出てみてもらいたい」とも。
4月19日には、名古屋テレビ塔(中区錦3)で、幹泰さんの新学長就任披露パーティーを開催する。当日は、大ナゴヤ大学の活動の軸となる「授業」企画を参加者らで考えるワークショップなども展開。「参加者の人たちはどういったことに興味を持っているのかというヒアリングとともに、『授業を作る』ということをより身近に捉えてもらうことで、大ナゴヤ大学の活動にもっと関心を持ってもらえるきっかけをつくることができれば」と幹泰さん。
「大ナゴヤ大学リニューアルパーティー」の開催時間は19時~21時。参加希望者は大ナゴヤ大学ホームページから申し込む。