松坂屋名古屋店(名古屋市中区栄3)南館7階の松坂屋美術館(TEL 052-264-3611)で6月15日、「杉山寧展-悠久なる刻を求めて-」が始まった。
戦後の日本画壇を代表する日本画家の一人である杉山寧。1902(明治35)年東京に生まれ、東京美術学科日本画家に学び、在学中に第12回帝展で初入選。翌年の第13回展では最年少で特賞を受賞するなど、早くから才能を開花させた。
同展を監修した美術評論家で豊橋市美術博物館館長の金原宏之さんは「杉山は常に挑戦を続け、日本画の世界を広げた画家。50代では抽象画の表現を日本画に取り込めないかと抽象傾向のある作品に挑み、日本画とは思えない色彩やタッチの作品を残した」と話す。
描くなど、さまざまな表現方法に着手。84歳で没するまで独創性の高い作品を発表し続け、『日本画を超えた日本画家』とまで言われるようになった。
同展は、杉山寧の没後20年を記念して企画された。会場には、初出品を含め初期から晩年の代表的な作品約70点を展示する。「杉山は自分の中にあるイメージを大切にしていた。人物や動物などの描写力も見事だが、彼が創造した構図、世界観も併せて楽しんでほしい」と金原さん。
開館時間は10時~19時30分(7月21日は18時閉館。いずれも入館は閉館の30分前まで)。入館料は、一般=1,000円、高大生=800円、中学生以下無料。7月21日まで。