名古屋テレビ塔(名古屋市中区錦3)の展望台「スカイデッキ」で2月26日、建物の構造を生かしたアート作品展示「UTOPIA IN THE CLOUDS ユートピア・イン・ザ・クラウド」が始まった。
作品を制作したのは、フランスのサン=テティエンヌ芸術大学でデザインを専攻しているロリアンヌ・キャラさんとロリ・バイヤン・エルカイムさん。昨年夏、同イベントを主催する「ARTS BRIDGE CITIES」が、特定の場所に帰属する作品や置かれる場所の特性を生かした作品である「サイト・スペシフィック」の展示企画コンペティションを、名古屋テレビ塔をテーマに開催。その際、審査員から最も高い評価を受けたのが今回展示しているインスタレーション作品「ア・ポルテ・ドゥ・スーフル/呼吸のとどくところ」だった。
今回の展示についてARTS BRIDGE CITIES代表の木村宗一郎さんは「生命と呼吸というコンセプトの下、雲に包まれ、創造的かつ、ゆっくりと穏やかなリズムで、膨らんだり、しぼんだり、展望台にいる人にとってはまるで息をしている何者かを感じられる造りになっている」とし、「テレビ塔の柱など独特の構造とその隙間の空間を生かしたインスタレーションになっていて、昼と夜で変化のあるイベント。堅苦しくなく気軽に楽しんでいただけたらうれしい」と話す。
同施設の石坂喜和さんは「テレビ塔がある久屋大通とパリのシャンゼリゼ通りとは友好関係を結んでいるためフランスには親近感がある。名古屋とサン=テティエンヌは共にユネスコのデザイン都市に選ばれており、名古屋の中心・テレビ塔からフランスのアートを楽しんでもらい、逆に名古屋の魅力を考えるきっかけになれば」と期待を込める。
営業時間は10時~21時。観覧はテレビ塔の展望料金(大人=700円、高校・大学生=600円、小中学生=300円、65歳以上=600円)が必要。3月14日まで。