錦・長者町の「日本銀行名古屋支店」(名古屋市中区錦2)で9月2日、建物の壁面を利用したプロジェクション作品「絵馬・絵巻/プロジェクション」が上映された。
「あいちトリエンナーレ2016」のまちなか展開となる同企画。作品を制作した石田尚志さんは、自身が描いた線を1コマずつ撮影してアニメーションにする「ドローイングアニメーション」という手法を用いるアーティスト。伝馬町通と桑名町通が交わる同店南東側の外壁に、鮮やかな光の「絵馬堂」をイメージした映像を投影した。同店の周りに集まった1,263人の来場者は、ライブペインティングなどを加えて自在に変化する約45分間の映像絵巻を楽しんだ。
上映終了後、石田さんは「ライブペインティングは大好きな鳥の絵を描いた。これまでストリートペインティングでは地面に描くことが多かったので、こういった建物は難しかった。すごく描きがいがあった」と話す。
港千尋芸術監督は「若いころからストリートペインティングをやっていた石田さんが都市をキャンバスにした本作は『虹のキャラヴァンサライ』というトリエンナーレのテーマにふさわしい。伝馬町通はかつて馬が通っていて、街道につながる旅の起点でもあった。とてもシンボリックな作品になった」と笑顔を見せた。
石田さんは現在、豊橋会場の開発ビル10階に作品を展示中。