栄の映画館「センチュリーシネマ」(名古屋市中区栄3)で6月18日、公開中の映画「吉田類の『今宵(こよい)、ほろ酔い酒場で』」の飲み会トークショー付き上映が行われ、主演の吉田類さんが登壇した。
同映画は居酒屋を舞台に交差するさまざまな人間模様を描いたドラマ。「居酒屋チャンス」「どつぼ酒場」「ふるさと酒場土佐っ子」の3編からなるオムニバス形式で、吉田さんは映画全体の案内役と第3話の謎めいた投資会社社長役で出演し、主題歌「時代おくれ」も歌っている。「アルゼンチンばばあ」「鉄塔 武蔵野線」の長尾直樹監督がメガホンを取り、伊藤淳史さん、松本妃代さん、津田寛治さんらが出演。
吉田さんは高知県出身のイラストレーター、エッセイスト。居酒屋や旅をテーマにした執筆活動で「酒場詩人」のニックネームを持ち、全国各地の酒場を訪ねる「吉田類の酒場放浪記」(BS-TBS)は10年以上続く人気番組となっている。2015年にテレビドラマ「下町ロケット」(TBS)で俳優デビューし、活躍の幅を広げている。
上映終了後、観客はロビーでチケットをビールやカクテルなどに交換して再び入場。登壇する吉田さんを大きな拍手で出迎えた。イベントはビールを掲げた吉田さんの「乾杯」の音頭でスタート。登壇者、観客とも酒を飲みながらの、陽気なトークショーとなった。
子どもの頃から映画が好きだったという吉田さん。「最初は案内役で出演を引き受けたが、面白くて少しずつはまっていった。結局、第3話の主役と主題歌までやることになった。監督は最初からそこまでやらせる計画だったらしく、まんまとはめられた」と話す。
吉田さんはビールから、ホッピー、日本酒と飲み物を変えながら、子ども時代の思い出、ヒグマやイワナなどの動物の話、酒場でのスマートな飲み方など自由にトークを展開。スタッフからの終了時間の合図が出ると「これからなのに」と残念がった。
最後に吉田さんは「酒場の文化はマイナスのものではないと世界中に宣伝したい。酒は平和のもとで、酔っぱらいは平和の天使。酔っぱらいは銃を撃っても弾を当てられないから、戦争ができない」とアピール。観客に「名古屋で新幹線を降りて一人で飲んでいることもあると思うので、声を掛けていただけたら」と呼び掛けた。