文芸で名古屋市民が街の魅力を発信することを目的とした文芸コンテスト「コトノハなごや」の入選20作品が11月7日、発表された。
主催は「文芸による名古屋の魅力発信事業実行委員会」(名古屋市、愛知淑徳大学、名古屋市文化振興事業団、文化のみち二葉館)。これまで「ショートストーリーなごや」として名古屋を題材とした文芸作品を募集してきたが、「インターネットなど時代に合わせた形を取り入れつつ、市民とともに名古屋の魅力を『文芸』として視覚化する」ことを目的に事業名を新たにし、ウェブ展開を中心としたものとしてリニューアルした。
今回集まった作品数は約170作品。20~30代の若い層からの応募が半数を占めたという。同事業を担当する名古屋市文化振興室の石田さんは「ウェブサイトによる応募を推奨するスタイルを初めて採用したので反応を心配したが、多くの方に参加していただけて安心した」と振り返る。
作品群については、「日常に沿った小さな出来事を大切に表現している作品が多かった。名古屋に住む・活動する人たちは日常を堅実に冷静に、また少しだけロマンチックに捉えている方がいることが感じられた」という。「言葉を使った創造活動をもっと身近に体験していただき、文芸にもっと気軽に触れていただきたい。名古屋の街を見つめる機会を通して、もっと街のことを好きになってもらえたら」とも。
作家の中村航さん、吉川トリコさん、編集者の武田俊さんが選考を行った。3人が入賞作品などについてトークするイベント「コトノハなごやサロン」は12月2日14時から、金山南ビル(名古屋市中区金山町1)で開く。入場無料。