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西川流が「名古屋をどり」概要発表 新作舞踊にデーモン閣下

西川流が御園座で「名古屋をどり」の概要を発表

西川流が御園座で「名古屋をどり」の概要を発表

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 栄の御園座(名古屋市中区栄1)で5月9日、日本舞踊の西川流が「名古屋をどり」の記者発表を行った。公演は9月6日~10日。

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 西川流が終戦直後の1945(昭和20)年から、名古屋宝塚劇場、御園座、中日劇場と会場を移しながら開催し続けている同公演。名古屋の伝統芸能における秋の風物詩として親しまれ、今年で71回目を迎える。中日劇場の閉館に伴い、今回から3月に再開した御園座に舞台を移す。この日の会見は同劇場ロビーで行われ、四世家元・西川千雅さん、先代家元で総師の西川右近さんらが、今年の見どころを紹介した。

 今年は立方、地方、合わせて総勢約100人が出演。舞台は昨年までと同様3部制で、170年の歴史を持つ西川流の伝統を感じさせる作品から観劇初心者向けの演目まで多彩なラインアップをそろえる。第1部はベテラン舞踊家による古典を中心にした「本格派な方も納得」の演目。華やかな華舞、芸妓(げいぎ)や、鵜(う)飼いをパントマイムにした右近さんの創作舞踊「鵜の殿様」などを上演する。

 第2部は重厚さと軽妙さのどちらも味わえる「硬軟絶妙のバランス」の演目。祭りの風情がにぎやかな常磐津(ときわず)「勢獅子(きおいじし)」のほか、西川流独自の能がかりな長唄「今様紅葉狩(いまようもみじがり)」などを披露する。

 第3部は「超初心者にも優しい」演目。大歌舞伎で活躍する殺陣師・付け打ち師が参加する立ち回りを楽しめる作品や、二世家元・西川鯉三郎が作舞した常磐津「むらぎも杖(づえ)」などを上演する。今年は千雅さんが新作舞踊となる「うただま」を作舞。邦楽器をふんだんに使い、ヒット曲のカバーなどを含むデーモン閣下の同名新作アルバムを基に、新しい舞踊の世界を披露する。ゲスト出演にコンテンポラリーダンサー倉知可英さん、アクション俳優・手嶋政夫さん、円頓寺「ナゴヤ座」の名古屋山三郎さん。千秋楽の10日にはデーモン閣下が出演する。

 歌舞伎ソムリエ・おくだ健太郎さんによる全編イヤホンガイドや、昨年初めての試みとして話題となった唄と舞踊での一般参加枠は今年も行う。おくださんは初めて公演中の生放送に挑戦。一般参加枠は、衣装をまとい家元と共に踊りに参加する「御祝儀藤娘(ごしゅうぎふじむすめ)」と、黒紋付き姿で長唄に加わる「祝賀寿節(いわいのかずぶし)」を募集する。

 四世家元を襲名して4回目の公演となる千雅さん。「愛知・名古屋の文化をもう一度見直し、誇りに思い、楽しみながら伝えていこうとの思いで取り組んでいる。中日劇場との別れは寂しいことだったが、新しい御園座で初めての名古屋発の舞台として発表できることをうれしく思う。71回目から、また新たなスタート。大切な一歩にしたい」と意気込む。

 小笠原剛御園座会長は「芸どころ名古屋の中心で戦後からやってきた名古屋をどりを、新しくなった御園座で再び上演できることは、とてもうれしい。当劇場のスローガンは『街とつながるオンリーワン創造劇場』。西川流は伝統的な踊りから新しい創作舞踊まで、いろいろなことをやっている。楽しい、実のある公演になるはず」と期待を寄せる。

 過去70回の公演全てに出演してきた右近さんは「私にとって、御園座が生まれた所で、中日劇場が育てていただいた所。またふるさとに帰ってこられたという心持ちになっている。最後の中日劇場での舞台も人生で大きな節目だったが、新しくなった御園座で71回目の出演ができることも、本当にうれしい。あと何回、舞台を踏めるかと考えることもある。一回ずつの舞台をしっかりと務めていきたい」と語る。

 開演時間は第1部=11時、第2部=14時30分、第3部=18時。料金はSS席=1万260円、S席=8,640円、A席=5,400円。一般出演枠は「御祝儀藤娘」=43万2,000円(S席チケット30枚付き、稽古、化粧、本衣裳・かつら貸与、記念写真)。「祝賀寿節」=10万8,000円(S席チケット6枚付き、稽古、黒紋付きは別料金で貸与、記念写真)。問い合わせは西川流家元事務所(TEL052-831-7106)。

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