日本舞踊西川流の総師・西川右近さんの小説「兄者 義経の血霊」が漫画化され、ハーパーコリンズ・ジャパンから8月に発売される。電子書籍版は5月25日から先行配信が始まった。
「兄者 義経の血霊」(大和書房)は、右近さんが2007年に出版した時代小説。日本とモンゴルを舞台に、源頼朝・義経兄弟と静御前の愛憎、チンギス・ハーンと一族の絆を「血縁」という観点から読み解き、複雑な人間模様を描き出すドラマ。
コミック版は脚本を花京院光さん、作画を日野入緒さんが担当。全7話を電子書店で毎月2話ずつ先行配信し、全話を収めた単行本を8月に全国の書店で販売する。同作は英語版を出版する案も企画されていて、翻訳は右近さんの孫で、西川流別格師範の西川カークさんが担当する予定だという。
右近さんは「不思議なご縁で漫画化していただけることになった。ハーパーコリンズ・ジャパンはハーレクイン・シリーズなどで世界的に有名な出版社。今まではアメリカで出版された本を日本に紹介してきたが、これから日本の作品を海外へ出版していくことにも力を入れるという。国内外の多くの人に読んでいただけたらうれしい」と話す。
右近さん、カークさんらが出演する「第71回西川流名古屋をどり」は御園座(名古屋市中区栄1)で9月6日から上演される。