チョコレートを使ったアート作品を作るアーティスト・ucoさんの個展「A piece of happiness 2 Aichi」が5月21日、大須のギャラリー「ロジガレモノコト」(名古屋市中区大須2)で始まった。同展はあいちトリエンナーレ2019パートナーシップ事業。
芸術大学では油画を専攻していたというucoさん。2年生の頃から菓子を使った作品づくりを始め、その中でもチョコレートの面白さに引かれていったという。「チョコレートは触ると体温で溶けるし、手に付いたりするので扱いは難しいが、素材として面白い。絵も描けるし、型に流し込めば造形物もできる。色もホワイトチョコやカカオの割合で色味が異なり幅広い。一定の湿度や温度は気にするが保存もしやすい」と話す。
チョコレートの香りが漂うギャラリー内。同展では、チョコレートが有名なベルギーの中でもチョコレートの街と言われるブルージュを訪れた際に見たかわいらしい建築をモチーフにしたという。1階には初めて作ったという高さ約2メートルのチョコレートの家を展示。基礎は木枠で、その上からホワイトチョコレートのベースを作り、屋根や壁面、窓枠の飾りなどチョコレートパーツを一つずつ取り付け仕上げてある。内装も全てチョコレートで、ポイントでナッツを使い飾るほか、壁にはチョコレートで作った「絵画」と「額縁」も飾る。「同じチョコレートでも仕上がりの艶感の違いでパーツごとに色が微妙に違って見える」。製作期間は半年だという。
2階には、ブルージュの街を流れる運河をモチーフにした曲線のチョコレートの土台に、板チョコの家が建ち並んだ作品を展示。一枚の板チョコの家にはチョコレートで「uco」と書かれており、ucoさんが「私の家」と笑顔を見せる。そのほか「CHOCOLATE」の文字を掲げ、チョコレートの違いで色の異なる「3軒のチョコレートショップ」も並べた。2階の一角には家の板チョコのほか、リボンや唇の形をしたチョコレート作品を展示した「チョコレート屋さん」も。
観覧無料で撮影も自由。有料で1階のチョコレートの家の中に入ることもできる(大人1人=500円、子ども=1人300円、子ども=2人500円)。写真撮影の演出のために子ども用のパティシエの衣装も用意し貸し出す。
ucoさんは在廊中、チョコレート色をしたパティシエの衣装で来場者を出迎える。「童話で出てくるお菓子の家に憧れた方もいらっしゃるのでは。チョコレートの家を見に来ていただき、大人の方には童心に帰って楽しんでいただければ」と話す。
期間中、本物のチョコレートを使った参加型イベントを実施する予定。開催情報はucoさんのSNSで発信する。
開廊時間は12時~20時(最終日17時まで)。今月26日まで。