現在、改修工事中の名古屋テレビ塔(名古屋市中区栄3)が10月23日、地中に埋まっている古い基礎を切断し柱脚が離れることで構造上、「地球から離れ、宙に浮いた」状態になった。
4本の柱脚のうち3本はすでに古い基礎の撤去作業を終えた状態で、当日はメディア向けに、1本の柱脚の切断作業の様子と切断の瞬間、すでに切り離しを終えた別の柱脚の現状が公開された。切断は、撤去する古い基礎の最下部に、ダイヤモンドでできた歯が仕込まれているワイヤーソーを高速で回転させながら削って切る方法。切り離した古い基礎は1メートル角程度で1~2トンの塊に削り出し、撤去するという。
同塔の重量はおよそ4000トン。古い基礎切断後は、数本の支柱と、外側700トン、内側500トンの油圧ジャッキで柱脚を支え、それぞれの脚の上に同塔が乗っている状態になった。1カ所あたり約1000トンの荷重を受けているという。
柱脚免震部には、1本の柱脚に、4種類・計7台の装置を取り付け、年内にはジャッキダウンする予定。
同塔の大澤和宏社長は「工事は順調。いよいよ整備の山場。65年間、約180メートルの塔を4本の脚でしっかり基礎が造られ地球と結び付いていた。すでに3本の脚は地面から切り離し、本日最後の1本の切り離し作業を行い、構造上では地球から離れた状態で、宙に浮いていると表現した」と話す。
免震工事には約9億円、全体では約30億円の工費がかかるという。
リニューアルオープンは2020年7月を予定している。