国際芸術祭「あいち2022」の記者会見が3月30日、愛知芸術文化センター(名古屋市東区東桜1)で行われ、参加アーティストが追加発表された。
同芸術祭は「STILL ALIVE 今、を生き抜くアートのちから」をテーマに、7月30日~10月10日の73日間にわたり開催される。主な会場は名古屋市の愛知芸術文化センター、有松地区、一宮市、常滑市。
「現代美術」はディムート・シュトレーベさん、アンネ・イムホフさん、奈良美智さんの母校の愛知県立芸術大学の学生やゆかりのある若手作家らで結成したチーム「縄」など、新たに5組を発表。2月までに発表された77組と合わせ、計82組となった。男女比は現時点で男性44組、女性35組、コレクティブ3組。全体の約60%が新作になる予定。旧一宮市スケート場、常滑市の旧青木製陶所など各地の展示会場も追加発表された。
未発表だった「パフォーミングアーツ」は、スティーヴ・ライヒさん、中村蓉さん、今井智景さんら全11組を発表。演劇・ダンス・音楽といった従来の舞台芸術に加え、これまで現代美術の文脈で語られてきたパフォーマンス・アートにも注目して選出。ジャンルを横断し、実験性に富むプログラムを展開するという。
会見にはタイから来日中のアーティスト、アピチャッポン・ウィーラセタクンさんが登壇。パフォーミングアーツとして、坂本龍一さんのサウンドによるVR作品を制作することを発表した。アピチャッポンさんは、「自分の初めてのVR作品がどのようなものなるか分からないが、信頼していただき、機会をいただけてうれしい。映画も未来で何が起こるか分からない不確かさがあり、人間はそういった中で生きている。その分からなさを一緒に探求してもらうのが今回の作品だと思っている。VRチームのメンバーとは話し合うたびに新しい問題が見つかるが、その度に子どものような純粋さを思い出し、一緒に立ち向かっている」と構想を語った。
ワークショップやレクチャーなどを行う「ラーニング」に参加するアーティスト7組も加え、32の国と地域から全100組のアーティストが決まった。
芸術監督の片岡真実さんは「『生きることは何か』『命とはどんなものなのか』という根源的な問いを、芸術はこれまでも考えてきた。それはコロナ禍の中で、誰にも非常に大きな問いになった。新たに政治的な緊張関係が世界を覆い、命の重さが世界中で改めて考えられる時期とも重なった。STILL ALIVEというテーマが決まった時よりも、さらに深く考えるべき時代になった。そのことを全ての作品を通して感じていただきたい」と話す。
現代美術展のチケットは販売中。パフォーミングアーツの鑑賞には別途チケットが必要で、今後発表される。