見る・遊ぶ

栄で「アーツチャレンジ2022」に8組が出展 国際芸術祭「あいち2022」プレ企画で

「ARTS CHALLENGE 2022」が1月22日から愛知芸術文化センターで開催。参加アーティストの三枝愛さんは、地下2階アートスペースXで18日から21日まで作品を公開制作

「ARTS CHALLENGE 2022」が1月22日から愛知芸術文化センターで開催。参加アーティストの三枝愛さんは、地下2階アートスペースXで18日から21日まで作品を公開制作

  • 18

  •  

 公募展「ARTS CHALLENGE 2022」が1月22日から、愛知芸術文化センター(名古屋市東区東桜1)で開催される。

「ARTS CHALLENGE 2022」に出展するアーティストの三枝愛さん

[広告]

 12回目を迎える同展。39歳以下の若手アーティストから作品プランを募集し、活動や発表の場を提供することで、世界を舞台に活躍するアーティストの愛知からの輩出を目指す。今回は、7月30日から開催される国際芸術祭「あいち2022」のプレイベントとして行う。昨年6月からアーティストの一般公募を行い、4人の審査員が展示内容を選定。応募170組から選ばれた8組が、同センター内のアートスペースXやパブリックスペースで展示やパフォーマンスを行う。

 入選したアーティストは、江藤佑一さん、小栢可愛さん、黒木結さん、佐野魁さん、私道かぴ(安住の地)さん、篠藤碧空さん、宮内由梨さん、三枝愛さん。国際芸術祭にちなんだテーマ「I Got Up 生きなおす空間」で作品を制作する。

 開催初日には、入選アーティストによるリレー・トークを開催。期間中は篠藤さんのパフォーマンスの一部を体験するワークショップなどを行う。

 同展キュレーターの鵜尾佳奈さんは「初めて国際芸術祭と連動しての開催。愛知県出身のアーティスト河原温さんの郵便と時間にまつわる作品にちなんだテーマで募集した。当センターの普段は展示に使われていない場所も生かす展覧会なので、場所をリバイブする、生き直すような作品を期待した。河原さんの作品に呼応したものから、空間の特性を生かすものまで多様な作品が集まった」と話す。

 同展への応募数は前回の79組から約2倍になった。鵜尾さんは「オンラインの応募にしたことが大きい。若手アーティストのための企画なので、交通費や滞在費を一部サポートすることなども増加の理由だと思う。コロナで閉塞した状況が続いているが、若手アーティストは柔軟に創造的に対応している。今の状況だからこそ感じてもらいたいパワーのある作品ばかりなので、ぜひ足を運んでいただけたら」と呼び掛ける。

 参加アーティストの三枝さんは、18日から21日まで作品の公開制作を行っている。子ども時代に通り道にしていた畑を撮影した連続する写真による作品や、切り倒されるかもしれない自宅の桜の大木の葉を使った作品を展示する。

 三枝さんは「子どもの頃は気にせず歩いていたが、土地所有の概念を知り歩かなくなった畑を、大人になってから月に1度同じ構図で撮影し続けた。撮影は2014(平成26)年に行い、作物が大きくなってきたところで畑に入ることを中断した。『庭のほつれ』というシリーズの最初の作品で、それを今の自分の目でもう一度確かめたくなった。生きていく中で、いろいろな事情で立ち止まらなければならない、進めない時は誰にでもある。自分の道筋があっても誰かの道筋とぶつかることがあり、譲り合ったり、待ったりする。その状況は『交差点』的だと思う。自分の庭と社会が接した畑という交差点を、作品として空間に留め置く試み」と作品について話す。

 「通りがかった人が公開制作を見ることも交差点的で、作品のやろうとしていることとつながっている」と話す三枝さん。「展覧会も作品と鑑賞者が出合う点のようなものだと思う。展覧会という場所で見た作品の手前にあった時間やその先の時間を想像しながら見ていただけたら」と来館を呼び掛ける。

 開場は10時~18時(最終日は16時まで)。2月6日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース