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地域の祭りに登場する大人形「猩々」がランウェー歩く 「あいち2022」の一環で

続々と扉から入場する猩々

続々と扉から入場する猩々

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 赤い顔の大人形「猩々(しょうじょう)」が集まる「猩々サミット 2022 秋」が9月17日、「愛知芸術文化センター」(名古屋市東区東桜1)8階のラーニングルームで開催された。国際芸術祭「あいち2022」のリサーチ・プロジェクトの一環。

「あいち2022」ラーニング・キュレーターでアーティストの山本高之さんと(写真左)、「笠寺猩々保存会」会長の久野充浩さん

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 「猩々」は、名古屋市南部や東海市、大府市、豊明市など愛知県の一部地域の祭りで見られる大人形。「愛知」についてリサーチするプロジェクトの一つとして、芸術祭のラーニング・キュレーターでアーティストの山本高之さんを中心としたメンバーが猩々のリサーチ活動を実施し、成果発表の場として県内各地の猩々を集めた。

 活動に携わった、「笠寺猩々保存会」会長の久野充浩さんは「猩々とは、古くに中国から伝わった想像上の生き物。大の酒好きといわれ、人間に似た赤い顔が特徴。能の演目にも取り入れられているが、祭りでは福を呼ぶ神として登場する」と説明。「大高町中之郷祭礼保存会」(緑区大高町)、「猩々の会」(緑区鳴海)、「笠寺猩々保存会」(南区笠寺)、「上名和祭ばやし保存会」、「北脇祭囃子保存会」(以上、東海市)、南区星崎地区、計6か所から集められた猩々がファッションショー形式でランウェーを歩くと、観覧者からは拍手がわき起こった。

 企画背景について、山本さんは「芸術祭も『祭り』の一つ。祭りといえば猩々ということで、実際に祭りで使用されている猩々に集結してもらった。展示を見るだけではなく、人がかぶって動いているところを見ると面白い。大きさも体感できる」と話す。「祭りは非日常であり、猩々は非日常へ人々を誘う存在。それが赤い顔の酔っ払いであることがユニーク。猩々は、地域の人たちが祭りを楽しむために昔から手作りしてきたもの。愛知の『ストリートカルチャー』とも言える猩々を題材に扱うことで、地域住民に芸術祭を身近に感じてもらいたいと考えた」とも。

 芸術祭会期中、プロジェクト内で制作された猩々をかぶれる、来場者向けの体験コーナーも設ける。土曜・日曜・祝日の10時30分~17時30分(12時~13時を除く)に開催。10月10日まで。

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