メニコンとメニコン芸術文化記念財団が4月6日、「メニコン シアターAoiビル」(名古屋市中区葵3)をオープンし、同ビル内の総合芸術劇場「メニコン シアターAoi」で完成記念式を開いた。
同ビルは、メニコン本社ビルの西側に建設した地上9階の複合施設で、オフィス、カフェ、劇場などを備えている。
メニコン シアターAoiは客席数が301席。オーケストラピットを設けることができ、客席への張り出し舞台や花道などの演出も可能。
完成記念式には、大村秀章愛知県知事、河村たかし名古屋市長が登壇。メニコン川浦康嗣社長らと共に、テープカットを行った。大村知事は「地域を代表する文化施設として優れた人材を輩出し、ここを訪れた方々が感動や思い出を分かち合える場として、末永く親しまれることを心から願っている。この施設が大きな核となり、名古屋、愛知の文化芸術をさらに高めていくことを祈っている」とあいさつ。河村市長は「名古屋は産業については素晴らしいが、文化芸術をどうやって盛り上げるかが大きなテーマ。『どえりゃあ面白い街』にしなければいけない。名古屋市も応援していきたい」と同施設の完成を喜んだ。
同劇場は4月18日にプレイベントとして、劇作家・演出家の平田オリザさんの講演「新しい広場を作る-地域における劇場の役割-」を行う。5月14日には劇場の機構を生かしたトライアルイベントとして、同劇場芸術監督・山口茜さんが主宰する劇団「サファリ・P」の作品「透き間」を上演する。グランドオープンを迎える7月19日には、こけら落とし公演として宮川彬良さんが作曲を務める歌劇「あしたの瞳」を上演する(22日まで)。
同財団代表理事でもあるメニコン田中英成会長は「文化のないところに人は育たないし、定着しない。人が定着しなければ経済は回らない。この地はかつて活気のある商店街だったが、残念ながら今は街が寂れていっている。このビルを再び車道、広小路が盛り上がるためのランドマーク、文化の拠点にしたい」と語った。