名古屋観光ホテル(名古屋市中区錦1)と愛知県赤十字血液センターが連携した年末献血運動が12月26日、同ホテル2階の宴会場「曙の間」で行われ、145人が来場した。
建て替えのために閉館中の「ホテルナゴヤキャッスル」(西区樋の口町3)で、2007年から13年間にわたり開催されていた同運動。名古屋観光ホテルでは初開催となった。両ホテルを運営する「エスパシオエンタープライズ」(中区錦3)の広報担当者・吉村裕子さんは「SDGsの活動の一環として、年末の輸血用血液の確保が困難になる時期に合わせて開催した」と話す。
献血協力者には、オリジナルのデザートセットを提供した。地産地消を推進し、地域の魅力を発信するため、食材は愛知県産を使用。名古屋コーチン卵を使ったババロア風プリン、西尾産抹茶のホイップパウンドケーキ、知多みかんのタルトをプレートに盛り付けた。デザートと共に提供したコーヒーには、持続可能な農法で生産されたことを示す「レインフォレスト・アライアンス認証」を受けた豆を使った。
「SDGsにちなんだプチギフト」として、同じく愛知県産の食材を使う八丁みそと西尾の抹茶のマカロン2個セットも用意した。以前はウエルカムスイーツとして提供していた商品。11月上旬にマカロンの味の切り替えたことに伴い、原材料を無駄にしないようにギフトとして配布したという。同封のギフトカードには、琵琶湖・淀川水系のヨシを原料とした紙を使った。
フードロス削減の取り組みとして、規格外のパンを販売する「グルメキッチンマルシェ」も実施。製造過程で発生する大きさや焼き色が不ぞろいになってしまったパン17種類を100円~200円で販売した。「普段は、ホテルのセントラルキッチン(中川区清川町3)で不定期開催しているマルシェ。今回は献血会場内で特別開催した。ホテルのベーカリーよりお得な価格なため、午前中に多くのパンが品切れになるほど好評だった」と吉村さん。売り上げは愛知県赤十字血液センターへ寄付するという。
吉村さんは「昨今、特に若い世代の献血離れが進み、将来的に医療に支障を来すのではといわれている。おいしいデザートやホテルの雰囲気を楽しみながら献血に協力できる場を作るため企画した」と振り返る。来場者からは「15年ぶりに献血をした」「献血に興味を持つきっかけになった」などの声が寄せられたという。