愛知芸術文化センター(名古屋市中区東桜1)で2月27日より、名鉄百貨店本店(中村区名駅1)ヤング館(旧セブン館)前の巨大マネキン人形「ナナちゃん」を使用した作品が展示されている。「ナナちゃん」は、同百貨店の広告塔として活躍している高さ6メートル10センチのマネキン人形で、名駅の待ち合わせ場所としても親しまれてきた名古屋のシンボル的存在。
展示は、愛知県にゆかりのある若手アーティストが展示や公演を行うイベント「新進アーティストの発見 in あいち」の一環で、同館内の吹き抜け空間(フォーラム)で、「栄にお散歩に来た」という「ナナちゃん」の展示と、主に名古屋市街で撮影・制作された「ナナちゃん」のイメージビデオ上映が行われている。
同展で「ナナちゃん」は、「春らしく、なお白を基調としたフォーラムに映える」ビビッドなピンク色と、「名古屋と言えば」という考えから決定した金色のスパンコールでできたワンピースを着用。イメージビデオは約10分間の作品で、「ナナちゃんが立ち寄りそうなところ」を想定して制作されたもので、名古屋の方言や話し方、地下鉄のアナウンス、地下街の音などを織り込み、名古屋の喫茶店チェーン店「コメダ珈琲」などで撮影したことにより、愛知県独特の作品になっているという。
企画の考案・制作者の飯田さんは、衣装について「『ナナちゃん』が着ていた過去のたくさんの衣装を見て研究した。段ボールで模型を作り、型紙を起こし、色・かたちなど試行錯誤を繰り返した。衣装のイメージは、展示される場所が音楽ホールもある愛知芸術文化センターなので『ちょっとオシャレしてお出かけする』という設定で進めた」という。
「アートというと難しく考える方も多いが、今回のように名古屋市民にとって親しみのあるシンボル『ナナちゃん』の展示を見に来てもらい、こうしたアート表現をきっかけに、どんどんアートに触れていってもらえれば」(飯田さん)とも。3月11日まで。