世界的に活躍する現代美術作家・奈良美智さんと、大阪のクリエーティブユニット「graf」を追ったドキュメンタリー映画「NARA：奈良美智との旅の記録」が4月14日より、「センチュリーシネマ」（名古屋市中区栄3、TEL 052-264-8580）で公開される。

　同映画は、昨年の夏に青森県弘前市のレンガ倉庫で開催された展覧会「AtoZ」の製作過程の500日間を撮影したもの。これまで、ほとんどメディアに出ることがなかった奈良美智さんが、「プロジェクトのためならテレビに出てもいい」と言ったことが発端となり、「それなら映画にしてはどうか」と監督が提案したことから映画製作が実現した。監督は、同作が劇場公開映画初監督作品となる坂部康二監督。ナレーターは女優の宮崎あおいさんが務めている。

　青森県弘前市出身の奈良美智さんは、愛知県立芸術大学美術学部卒業後、同大大学院修了し、1988年に渡独。国立デュッセンドルフ芸術アカデミーに在籍し、同校修了後はケルンを拠点として制作活動を続け、2000年に帰国。現在は日本を拠点に活躍している。大きな目の少女や目を閉じた犬などをモチーフとした独特の作風はヨーロッパを中心に国際的に注目されている。

　一方、大阪を中心に活躍する「graf」は、スペース、家具、照明、グラフィック、プロダクト、アートから食に至るまで「暮らしのための構造」を考えてものづくりをしているクリエーティブ集団。昨年の夏に弘前市で開催された共同プロジェクト「A to Z」では、作品を展示する「小屋」を製作した。

　展覧会「AtoZ」は、会場にAからZまで26個の小屋を作って作品を展示するもので、地方での開催にも関わらず3カ月間で約8万人を動員した。

　上映時間は93分で、上映スケジュールは、同14日～20日＝20時5分～、21日以降は10時30分～。

NARA：奈良美智との旅の記録センチュリーシネマ