写真集・画集を中心に古書・洋書を扱うセレクトブックショップ「ワンオンワン」(名古屋市中区栄3、TEL 052-242-2363)は現在、オープンして5年目に入ったことをきっかけに、オーナーの茂木さんがセレクトした「新しい才能を持つ写真家『GENSEKI(原石)シリーズ』」の作品を店内で紹介している。プロ・アマ関係なく、茂木さんが見て「インパクトを与えられたもの、素晴らしいと思ったもの」をセレクトするという。
1回目は、アルゼンチン・コルドバ州生まれのフリーランスの写真家、フランコ・タデオさん。1991年に日本へ移住し、少し日本人の血を引くアルゼンチン人。もともと同店の利用客だったタデオさんの個展を見に行った際に強く引かれるものがあったという茂木さん。「作品として成り立つボーダーラインのようなものをクリアしていた。ラテン系の彼の視点は誰のものとも違う、不思議でクールで魅力的。いつか機会があれば紹介したいと思った」(茂木さん)。
店内には、風景写真を中心としたモノクロの作品を展示し、利用客の目を誘う。タデオさんについて、茂木さんは「筋が通っていて自分の意見や気持ちを大切にする人。日本人よりも『武士道』のような真面目さを感じる。先のことを細かく考えず、面白いと思った写真を貫き写真家の道で生きようという姿もいい」と、その魅力を語る。「その性格が写真にも現れていると思う。写真をやっているお客さんの中には『どうしてこんなにきっちりとした仕上がりができるのか』という人もいるほど」(同)とも。
これまで同店を丸4年続けてきて、「名古屋では意外にも現代アートのコレクターが多いと思った。ネットなどで情報が簡単に得られてしまう今、パソコンの画面だけで満足するのではなく、ぜひ足を運んで実物を見に来てほしい」という。
今後の展開は、紹介したい写真家が見つかればどんどん続けていく予定。営業時間は13時~20時。タデオさんの写真展は8月17日まで。
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