「ナゴヤファッションコンテスト2008」が9月10日、ナディアパーク・デザインセンタービル(名古屋市中区栄3)3階デザインホールで開催された。主催はナゴヤファッション協会。
今年で28回目を迎える同コンテストは、新進のデザイナーを発掘することを目的に毎年開催されている。応募総数は年々増え、今年は海外からの応募も含め4.321点の応募があったという。
集まったデザイン画での書類選考が6月中旬に行なわれ、厳しい審査で選ばれた作品31点が当日のランウェイを飾った。審査員は、ファッションデザイナーの花井幸子さん、中野裕通さん、岩谷俊和さん、廣川玉枝さん、スタイリストの原由美子さんの5人。次々と登場する独走的なデザインの洋服に、客席からは声援の拍手もわき起こった。
コンテストの結果、グランプリに輝いたのは、石原彰乃さんが制作した「お子さまスーツ」と題されたフェルト生地を使用した男児用のスーツ。そのほか、ゴールド賞(2人)、シルバー賞(3人)が贈られた。受賞作品のうち、女性服は1点で、そのほかはすべて男性服という「今までになかった」(花井さん)選考結果になった。
ナゴヤファッション協会の瀧茂夫会長は「今回のコンテストを見て『すごいな』と感じた人は、ぜひデザイナーを雇う側、発注する側に回ってほしい。『あれではちょっと…』と思った人は来年ぜひ、自身の自信作を引っさげてコンテストに参加してほしい」と話した。
今回のコンテストでは、「デザイン画の段階でコンセプトが伝わってくるものが今回はとても多かった」と話すのはデザイナーの中野さん。「そのまま作品になればいいが、制作していくうちに思い入れが強くなり、やりすぎてしまうことが多々ある。制作途中で一歩下がって見ることができれば、もっと良くなる」と話した。花井さんも「賞を受賞した上位作品はどれもシンプルで清潔感のある作品。グランプリの作品は生地のバランスが素晴らしい」と称賛した。