関西国際空港からカタール航空利用で出発!
【日本から4名が参加】今回のツアーには日本各地から4名が参加。会社経営者に加え、1名は大学進学を控えた18歳とバリエーション豊かな顔ぶれに。
イタリアまでの空旅は、カタール航空にお世話になりました。関西国際空港に集合し、カタール・ドーハを経由する形でミラノ・マルペンサ国際空港に到着しました。
【ACミラン下部組織の公式戦を観戦】
メインスタジアム横で記念写真
U15カテゴリーの試合を視察中
3月16日(日)の朝方にミラノに到着。ホテルにチェックインし休憩を済ませた後に、ミラノ市郊外へ。セリエA・ACミランのユースセクターおよび女子トップチームのトレーニング拠点である《PUMA - House of Football》にやってきました。
サッカー場が全部で7面あり、週末には各カテゴリーの公式戦が開催されます。今回はU15およびU16カテゴリーの試合(vs エラス・ヴェローナ)を観戦。
【ACミランのクラブオフィス・Casa Milanを訪問】
クラブオフィスの中におじゃましました
歴史が詰まったクラブミュージアムに一同大興奮
3月17日(月)には、ACミランのクラブオフィスである《Casa Milan(カーザ・ミラン)》へと足を運びました。アカデミープロジェクトマネージャーでもある、ジャンマルコ・ソッツィのアテンドのもと、クラブミュージアム見学のほか、オウンドメディア制作拠点である《The Studios: Milan Media House》の内部にも潜入!
サッカークラブでありながら、スポーツをハブにしたエンターテイメント企業としての一面を持つクラブの実態に触れられたひと時となりました。
【KINGS LEAGUE ITALYを観戦】
名だたるビッグネームがバックアップするフットボール界のニュームーブメント
黒色のピッチにLED照明で、「魅せる」を意識した空間作りに驚きを隠せない
スペイン代表でも活躍したジェラール・ピケがチェアマンを務める、新機軸の7人制サッカー「キングスリーグ」。ワールドカップ開催など世界展開が続く中、スペイン・アメリカに続く3番目のリーグとして、今年2月、遂にイタリアリーグが開幕しました。
第6節の2試合を観戦しましたが、参加者みんなで独創性の高いルールを理解するのに必死。
ドローンが上空を飛んでいたり、配信カメラがピッチ内に入るなど、明らかに視聴者を意識したプレー空間作りが印象的でした。まさに「サッカーをベースにしたエンタメ」とでも言うべきか。
元イタリア代表ルカ・トーニのプレジデンシャルPK(残念ながら失敗)、元ベルギー代表のラジャ・ナインゴランの熟練のプレーを目の当たりに。セリエDなどアマチュアカテゴリーのクラブに所属する「掛け持ち」の選手、フットサルやビーチサッカー出身の選手もいて、新たな脚光の浴び方をしていたように思えます。
【地元クラブ・FC Zeta Milanoとの交流】
我々を笑顔で出迎えるZW Jackson(右)。1通のDMを送ったことから交流が実現しました
出会いは1通のDMから3月18日(火)の夜、ミラノ南部に拠点を置くローカルクラブ・FC Zeta Milano(ゼタ・ミラノ)のトレーニング拠点を訪問しました。
クラブ創設は昨年の新興クラブ。現地では有名なYouTuberであるZW Jacksonがオーナーで、選手全員がビデオメイカーとして活躍していて、選手個人のSNSフォロワーも1万人超という新進気鋭のソーシャルフットボールクラブです。
事前にメディカルチェックを受けた3名がトップチームのトレーニングに参加。上位カテゴリー出身の実力者も多い選手たちを相手に、試合形式の熱のこもったトレーニングで、イタリアサッカーを身体で感じる貴重な機会となりました。
その後、別室にて30分ほどの意見交換タイムを設定。オーナー自ら野心に満ち溢れたプロジェクトを熱く語ります。壮大なビジョンに驚いたのと同時に、その視線は優しくとても純粋だったことが強く印象に残っています。私たちもサッカークラブの新たな形を学ぶきっかけになりました。
野心的なクラブオーナーから、神奈川県より参加の18歳の青年は、「挑戦を続けることの大切さ」を感じ取ったそうです
【ブレシア近郊で過ごした濃密2days】
最高級品質のフランチャコルタを作り上げるために手間を惜しまない姿勢を学ぶ
フランチャコルタの名門・La Montinaを訪問「フランチャコルタ」という地域を総称するスパークリングワインの老舗を訪問。ワイン作りの土台はブドウの品質を見抜く目にあり。物事を選ぶうえでは人間の目が大切という考えは、企業における人材育成の視点と通ずるものがあり、視点を変えた学びの価値を実感してもらいました。日本と比べてスポーツとアルコールの位置関係がすごく近いイメージのあるヨーロッパ。たくさんのスポーツクラブをスポンサードしているという話も興味深いものでした。
創設100年超のセリエDクラブを訪問フランチャコルタ地区にあるセリエD(4部相当)のローカルクラブ、AC OSPITALETTO(オスピタレット)を訪問しました。
人口14,000人程度の小さな街ながら、創立から100年超の歴史を誇りセリエC昇格を視野に捉えています。ゼネラルディレクターのアテンドのもと感じたのは、「仕事のできるクラブ」はカテゴリーを問わないということ。昇格を見据えたクラブのビジネス感覚・クラブとしての生き抜き方について多角的な学びを得ることができました。
ホームスタジアムの隅から隅までガイドしてもらえて濃密な学びの詰まった時間になりました
育成と人材発掘ビジョンを学ぶワークショップかつてACミランで育成スカウトとして辣腕をふるったシルヴィオ・ブローリ氏によるワークショップを開催。「人材を見抜く目を拓く必要性は、業界を問わない」という考えに端を発して始まった企画ですが、偶然が重なり同時期にブレシアを訪れていたスペイン・バスク地方のサッカークラブ関係者と一緒に学ぶことに。
内容としてはややヘビーなものだったかもしれませんが、複数のカルチャーが交錯しながらも、新たな知見を得る機会にも繋がった濃密な2時間でした。
イタリアに来たのに、スペイン・バスク地方の文化について学ぶことまでできたのは、フットボールの世界だからこそ作り上げられる偶然なのかもしれません。
【イタリア代表vsドイツ代表を観戦】
60,000人超の観衆が見守った一戦でした
旅の締めくくりは、やはりサン・シーロスタジアムへ。「カルチョのスカラ座」の別名を持つ世界最高峰のスタジアムで、UEFAネーションズリーグのイタリア代表vsドイツ代表の試合を観戦。
サンドロ・トナーリのゴールで幸先よく先制するも、ドイツ代表が2ゴールを決めて逆転するという悔しい結果に。
とはいえ、最高の雰囲気を味わっていただくことができました。
【旅の終わりに思うこと】
イタリアほど「イレギュラー」や「予測不能」な事態と密接に結びつく国は珍しい。今回の6日間の滞在でストライキに2回出くわしたが、それでも日常は動いていく。
ラテン気質特有のどこか適当で余白があるのに、ディテールを突き詰めていくことは嫌いじゃない。ここにギャップがあるのはご愛嬌。(なぜ社会がうまく回っているのか分からなくなる時もしばしば)
しかし、そこはなんだかんだで「ルネッサンス」を生んだ国。彼らのゼロからイチを捻り出す文化は、日本人も見習っていいと思うのです。
フットボールは変化が起きて当たり前のスポーツ。定義できない「予測不能」を受け流せる国民性にピッタリで、それぞれの文化のいいとこどりをできれば、より広い視野を持ち生きていけるのではないでしょうか。
今回のツアーにご参加いただいたみなさまに心からの感謝を。カルチャーギャップを肌身をもって感じては気が滅入る時間もあったかと思いますが、最後まで体当たりでイタリアという国にぶつかっていただきました。6泊9日の長い時間をともに過ごしていただき、本当にありがとうございました。