リリース発行企業:株式会社Mizkan Holdings
ミツカングループ(愛知県半田市、以下ミツカン)は、日本女子大学(東京都文京区)と共同で研究を行っている共創プロジェクト「にっぽん食プロジェクト」において、2024年10月26日(土)に、日本女子大学にて、今年度第二弾の活動である「にっぽん食ワークショップ」を開催しました。昨年度までの「にっぽん食プロジェクト」の取り組みで創出したコンセプト“ごはん時間でつながろう” (※1)を体現するために、学生が中心となって事前ワークとグループディスカッションを行い、各グループが「記憶に残る幼少期の“ごはん時間”体験をつくる」ためのオリジナルコンテンツを考案しました。総勢14名(3年生6名、4年生7名、大学院生1名)の日本女子大学食物学科飯田研究室の学生が参加しました。
■ワークショップ実施の背景
近年、共働き世帯の増加、少子化や離婚率の増加、未婚化・晩婚化等の影響により、単独世帯も急増しています。こうしたライフスタイルの変化から、「家族と一緒に食事をする時間をつくる」ことが困難な人が増えており、農林水産省においても、「共食(※2)」の機会の増加を目標として挙げています。(※3)
「にっぽん食プロジェクト」では「共食」にフォーカスしたアンケート調査(※4)を実施し、幼少期における食事の手伝い頻度が高いほど、「共食」時のコミュニケーションを楽しんでいる人が多いことがわかりました。幼少期の食体験が現代の食への影響を及ぼすと考えられるため、今回のワークショップでは「記憶に残る幼少期の“ごはん時間”体験をつくる」ための具体的なオリジナルコンテンツを考えました。
※1)にっぽん食プロジェクトでは、 “考える” “作る” “食べる”“片付ける” の一連の料理工程を、新たに“ごはん時間”と名付けました。料理と聞くと、作り手側はメニューを考える・作ることを想起し、普段、調理をしない人は食べることだけを想起しがちですが、考えることから食べることまでを含めて、ごはん時間と定義しました。「ごはん時間で、つながろう。」の中に、この一連の体験こそが、人や思いを繋げる食の新しい価値であるという意味を込めています。
※2)「共食」・・・みんなで一緒に食卓を囲んで、共に食べること(農林水産省HP参照)
※3)農林水産省第4次食育推進基本計画より
※4)【にっぽん食調査】食生活意識調査について(2024年1月31日配信のリリース)
https://www.mizkan.co.jp/company/news/detail/240131-90.html
■4つのオリジナルコンテンツ
A班:【クッキングアドベンチャー】
子どもの初めての料理を親子で楽しみながら体験できる料理ゲームアプリ
B班:【おうち農園定期便】
春夏秋冬の旬食材の“苗”が届くサブスクリプション。毎月行事食や旬のレシピも送られてくる
C班:【Family Kitchen】
家族全員で楽しめる毎月届く付録付きの料理レシピ雑誌
D班:【おうち○○トランプ】
カードに家族・友達が好きな料理名を書き、ジジ抜きや神経衰弱で遊びながら献立を決める
カードゲーム
<A 班:クッキングアドベンチャー>
子どもの初めての料理を親子で楽しみながら体験できる料理ゲームアプリ
“ごはん時間”ポイント
・アプリゲームは親子で使用し、親と子それぞれに役割があり、親子で協力し、ゲーム感覚で楽しんで料理ができる
・作った料理を写真に記録することで、思い出のアルバムの役割も担える
・ゲームを1つずつクリアすることで成功体験を得られ、幼少期から料理に関与し、料理体験の喜びを得られる
・ゲームをクリアすると、ポイントがつき、ポイントがたまると連携スーパーで食材交換ができ、買い物に一緒に行くという行為も必然的に生まれる
<B班:おうち農園定期便>
春夏秋冬の3か月ごとに旬の食材の“苗”が定期的に届くサブスクリプション。加えて、毎月行事食や旬の食べ物を使ったレシピが送られてくる
“ごはん時間”ポイント
・旬の食べ物を親子で一緒に学べる。また、食材を育てるところから始めるので、収穫した食材を使って料理することで、苦手な食材などの克服も見込める
・行事食だと家族で“ごはん時間”が生まれやすいというディスカッションのもと、毎月届く行事食レシピを献立に取り入れることで、“ごはん時間”が毎月生まれる仕組みになっている
<C班:Family Kitchen>
家族全員で楽しめる毎月届く付録付きの料理レシピ雑誌
“ごはん時間”ポイント
・ターゲットは家族全員。はじめての料理体験をする子ども向けと、その他の料理をサポートする大人向けそれぞれへの料理ポイントが記載されており、親子一緒に協力して料理することが必要なレシピになっている
・付録は、子どもが初めての調理で使用しやすい調理器具が毎月届き、雑誌に記載のあるレシピの一部と連動されていて、初めての料理体験をサポートする
・イベントや催事がない時期こそ、家族が集まって“ごはん時間”が生まれるためのレシピ(普段とは違う食事のレシピ)になっている
<D班:おうち○○トランプ>
カードに家族・友達が好きな料理名を書いて、ジジ抜きや神経衰弱などでその日の献立を遊びながら考えるカードゲーム
“ごはん時間”ポイント
・献立やパーティーの内容を、カードを使って決めることによって、献立を考える人の偏り問題がなくなる
・カードゲームを使用し、家族全員で献立を考えるところから始めるため、“ごはん時間”を体験することが家族全員の記憶に残る時間となる
・献立のメニューは家族で思い出のあるものや好きなものなど、カスタマイズでき、特別な日でないときも家族間では特別な“ごはん時間”になる
・家族だけでなく、友達ともホームパーティーの機会が増える
■当日の様子
■参加した学生の感想
・事前のワークを通して成長するにつれて減っていった家族との“ごはん時間”について考えることができ、また自分の食体験が両親や先生などの誰かに支えられて機会が提供されていたということを実感いたしました。
・事前ワークで自分の食体験を振り返り、母の食体験と比較してみると、母が小さい頃に似たような場面を経験しており、自分の幼少期の食体験と共通している部分があるのだろうと感じました。
・今回のワークショップを通じて改めて親に感謝を伝えたい。自分も親になったら同じ体験や思い出作りを子どもにさせたいと強く感じました。
■内容
【事前ワーク】
事前ワークでは、ワークショップ当日のアイデア発想に繋げていただくために、幼少期の“ごはん時間”の思い出を参加した学生、および学生の親にも振り返ってもらいました。事前ワークからみえてきたのは、催事の際は家族団らんで食事をすることは世代を越えても変わらないという傾向がある中で、学生と親それぞれの幼少期の思い出を比較したときに、学生は幼少期に流行っていた料理本や食べ物があったり、親世代は昔ならではの料理器具を使用していたりと、世代間のギャップがみえる回答もありました。
【当日のワークショップ】
当日は4グループでグループディスカッションを行い、「記憶に残る幼少期の“ごはん時間”体験をつくる」ためのオリジナルコンテンツを発表しました。各自の事前ワークの内容から、幼少期の自分たちの経験や思い出の共通点を探し、“幼少期の食体験がより良くなる為にはどうしたらよいのか”を考えました。また、自分たちの体験だけでなく、家族全員を巻き込んだ“ごはん時間“体験を作るべく、親の事前アンケートの内容も参考に、自分たちが親になった時に、家族の“ごはん時間”体験を増やすためにどのようにしたらよいかも考えました。
■ミツカングループ
ミツカンでは「未来ビジョン宣言」の実現を目指し、様々なステークホルダーと「ともに」共創の取り組みを行っております。本プロジェクトはその一環として推進しています。
■日本女子大学
私立女子大学唯一の理学部を有し、文理融合の教育環境をもつ女子総合大学です。「私が動く、世界がひらく。」のタグラインのもと、自ら学び、自ら行動し、新しい価値を創造できる人材を育てています。今年度は「建築デザイン学部」を開設し、2025年度には「食科学部」を開設します。さらに2026年度に文学部 2 学科の名称変更を予定し、2027年度には「経済学部(仮称)」の開設(構想中)と、継続して大学改革を進めています。