解体工事DXプラットフォーム「クラッソーネ」を運営する株式会社クラッソーネ(愛知県名古屋市、代表取締役CEO:川口 哲平、以下「当社」)は、島根県川本町(以下、「川本町」)と「空き家除却促進に係る連携協定」を締結いたしました。昨今、全国的にも社会課題となっている空き家問題への対策として、川本町の空き家除却を推進することで、安全安心なまちづくりを目指します。また本締結で、当社の自治体連携の実績は119自治体(行政運営の団体含む)となり、全国での人口カバー率は17.5%、島根県内では6%となりました(※1)。
左:川本町長 右:クラッソーネ執行役員 山田浩平
協定締結の背景
近年、空き家が増加し社会課題となっています。総務省発表「令和5年住宅・土地統計調査」(※2)によると、全国の空き家数は900万件、空き家率は13.8%と、過去最高の水準となっています。島根県では、空き家の戸数は5万5000戸となっており、空き家率は17%と全国平均より高い割合となっています。
川本町では、人口減少や高齢化が進み日常生活に必要な機能の維持が困難となる集落が生じつつある状況です。今から40年前の昭和60年には6,000人を超えていた人口も、令和7年3月末現在2,915人と、大きく人口減少しており、それに伴い空き家数も年々増加しています。現在は、移住・定住対策の取り組みとして、空き家バンクの設置や空き家改修費用の助成などの実施、管理不全等の空き家問題に対しては、令和3年度に「川本町空家等対策計画」を策定し、対策の実施体制や具体的な施策を定め、「川本町老朽危険空き家除去支援事業補助金」も整備し空き家対策事業を推進しています。
当社は、解体工事領域で、全国2,000社以上の専門工事会社と施主をマッチングするサービス「クラッソーネ」を運営しており、これまでに累計15万件以上のご利用者実績(※3)があります。また、「解体費用シミュレーター」や「すまいの終活ナビ」を利用した公民連携での空き家対策事業が、令和3年度から令和5年度の国土交通省「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」に3年連続で採択され、現在は全国118自治体(川本町除く)と公民連携による空き家対策を進めています。
今回、川本町や当社のそれぞれが持つ資源や特長を活かしながら、川本町内の空き家の除却促進に向けて連携協力を図り、空き家の適正な管理の推進に寄与することを目的として、協定の締結に至りました。取り組みを通じて、空き家の課題を解決するとともに、当社運営の「すまいの終活ナビ」をはじめとしたIT技術やデータを活用して、自治体担当者の住民対応の質の向上や業務効率化など、自治体DXの推進に寄与します。
協定に基づく主な取り組み内容
- 解体の概算費用や土地売却査定価格を提示する「すまいの終活ナビ」を紹介(URL:https://www.crassone.jp/simulator/navi/shimane/ochigunkawamotomachi)
- 空き家の建物情報をもとに、管理コストや解体費用・土地売却査定価格をまとめたレポートを発行できる「空き家価値査定シート」の活用
- 空き家所有者等へ空き家解体の進め方に関するフライヤーを配布
- 町民や空き家所有者からの相談や空き家対策施策に、当社のサービスや情報を活用
代表コメント
川本町長 野坂 一弥 氏
川本町を取り巻く環境は大きく変化しており、人口減少や高齢化が進む中で、日常生活に必要な機能の維持が困難となる集落が生じつつある状況です。今から40年前の昭和60年には6,000人を超えていた人口も、令和7年3月末現在では2,915人と、大幅に人口減少しており、これに伴い空き家数も年々増加しています。移住・定住対策の取り組みとして、空き家バンクの設置や空き家改修費用の助成などの実施し、管理不全等の空き家問題に対しては、令和3年度に「川本町空家等対策計画」を策定し、対策の実施体制や具体的な施策を定め、「川本町老朽危険空き家除去支援事業補助金」も整備し、空き家対策事業を推進していますが、空き家に関するさまざまな課題を解決するためには、所有者だけでなく、民間企業等との連携・協力が重要と考えています。今回の連携協定の締結により、所有者が所有する空き家の対応を考える一つのきっかけとなり、空き家の適切な除去に繋がることを期待しています。
株式会社クラッソーネ 代表取締役CEO 川口 哲平
当社は「『街』の循環再生文化を育む」というビジョンを掲げ、解体工事を通じて多くの人々の豊かな暮らしの実現を目指しており、事業を行う中で、空き家問題の高まりを感じています。空き家の解決には自治体と民間事業者の連携が重要だと考えています。
この度、川本町と連携協定を締結し、解体の領域で空き家対策のサポートができることを嬉しく思います。増加する空き家への対策として、弊社の解体に関する知識や経験・IT技術を活用し、特に空き家解体に関する「どう進めたらよいか分からない」「いくらかかるか分からない」「誰に頼めばよいか分からない」といった課題を解消して参ります。川本町と協働した取り組みを通じて、町民の皆様が安全安心に暮らせるまちづくりの実現に向けて尽力してまいります。
「すまいの終活ナビ」とは
相続した実家の家じまいや空き家処分を検討するにあたって、様々な情報を取得することができる家じまいポータルサイトです。主な機能として、土地建物の面積や最寄り駅、接する道の幅などの条件を入力することで、「解体費用」と解体後の「土地売却査定価格」の概算額を無料で算出することができます。
その他、「すまいの終活ナビ」からは下記サービスを利用することができます。
<空き家の迷惑度診断>
空き家の外観や敷地内の状況に関する22個の質問に答えることで、「特定空家等」の予備軍である「管理不全空家等」として指定される可能性を「空き家の迷惑度」として診断します。
国が示したガイドラインに基づいた設問となっており、簡単に所有する空き家が管理不全空家等に指定される可能性があるかを確認することができます。所有者が自身の空き家の状況を認識できるようにし、適切な空き家の管理を促します。
「空き家価値査定シート」とは
「空き家価値査定シート」は、対象の空き家の構造や土地面積等の情報をもとに、空き家を放置した際にかかる想定コストや、空き家処分の際の解体費用、土地売却査定価格をまとめたレポートです。空き家の放置・処分コスト等の情報を所有者へ提供することで、空き家の適切な管理や処分の検討を支援し、管理不全空き家の解消を促進します。また、空き家所有者啓発に関する文書作成における自治体担当者の工数削減にも貢献します。
これまで連携協定締結実績のある島根県内の市町村
安来市
川本町について(概要)
川本町は、健康食品であるエゴマの栽培で知られる人口約3,000人の小さな町です。町を縦貫する「江の川(ごうのかわ)」の水運により、古くは石見銀山(世界遺産)の玄関口として栄え、石見地方の要衝、「交流の町」として発展しました。かつては人口約1万人を数え、現在も国県の出先機関や金融支店が残るなど「都会の利便性を持つ田舎の町」としての側面を持っており、歴史的背景からも外部の人間を受け入れる寛容さがあり、移住者にとって「移住しやすい町」といわれています。
株式会社クラッソーネについて(会社概要)
(※1)総務省「【総計】令和6年住民基本台帳人口・世帯数、令和5年人口動態(都道府県別)」より算出。都道府県連携や行政団体の対象自治体は省き、市区町村との締結を対象として算出した。
(※2)総務省「令和5年住宅・土地統計調査」より:https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/tyousake.html
(※3)旧サービス「くらそうね解体」の実績含む