解体工事DXプラットフォーム「クラッソーネ」を運営する株式会社クラッソーネ(愛知県名古屋市、代表取締役CEO:川口 哲平、以下「当社」)は、熊本県あさぎり町(以下、「あさぎり町」)と「空き家除却促進に係る連携協定」を締結いたしました。昨今、全国的にも社会課題となっている空き家問題への対策として、あさぎり町の空き家除却を推進することで、安全安心なまちづくりを目指します。また本締結で、当社の自治体連携の実績は120自治体(行政運営の団体含む)となり、全国での人口カバー率は17.6%となりました(※1)。
左:あさぎり町長 右:クラッソーネ執行役員 山田浩平
協定締結の背景
近年、空き家が増加し社会課題となっています。総務省発表「令和5年住宅・土地統計調査」(※2)によると、全国の空き家数は900万戸、空き家率は13.8%と、過去最高の水準となっています。熊本県では、空き家は5年前から13.6%(1万5千戸)増加して12万7千戸となっており、空き家率は14.9%と全国の空き家率と比べて高い水準となっています。
あさぎり町では、令和4年度に空き家調査を実施し、空き家等と判断された物件は674件あり、前回調査(平成27年度調査)から185件増加しています。こうした空き家に対応するため、空き家等対策計画を策定し、空き家等が抱える課題を整理し、町の特性に応じた対策実現を目指しています。
当社は、解体工事領域で、全国2,100社以上の専門工事会社と施主をマッチングするサービス「クラッソーネ」を運営しており、これまでに累計15万件以上のご利用者実績(※3)があります。また、「解体費用シミュレーター」や「すまいの終活ナビ」を利用した公民連携での空き家対策事業が、令和3年度から令和5年度の国土交通省「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」に3年連続で採択され、現在は全国119自治体(あさぎり町除く)と公民連携による空き家対策を進めています。
今回、あさぎり町や当社のそれぞれが持つ資源や特長を活かしながら、あさぎり町内の空き家の除却促進に向けて連携協力を図り、空き家の適正な管理の推進に寄与することを目的として、協定の締結に至りました。取り組みを通じて、空き家の課題を解決するとともに、当社運営の「すまいの終活ナビ」をはじめとしたIT技術やデータを活用して、自治体担当者の住民対応の質の向上や業務効率化など、自治体DXの推進に寄与します。
協定に基づく主な取り組み内容
- 解体の概算費用や土地売却査定価格を提示する「すまいの終活ナビ」を紹介(URL:https://www.crassone.jp/simulator/navi/kumamoto/kumagunasagiricho)
- 市民が近隣の迷惑な空き家について自治体へ通報できる「お困り空き家の連絡フォーム」を導入
(URL:https://www.crassone.jp/simulator/akiya-contact-form/kumamoto/kumagunasagiricho)
- 空き家所有者等へ空き家解体の進め方に関するフライヤーを配布
- 町民や空き家所有者からの相談や空き家対策施策に、当社のサービスや情報を活用
代表コメント
あさぎり町長 北口 俊朗 氏
地域における人口及び世帯数の減少に加え、老朽化や生活様式に対応していない等の理由から相続はしたものの居住されていない住宅や使用されていない建築物が増加しています。このような空き家等の増加は、防災・防犯・景観・衛生等の様々な面での問題発生に繋がり、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼす恐れがあります。 このたびの「株式会社クラッソーネ」様との締結により、本町における空き家問題解消の一助となることを期待しています。
株式会社クラッソーネ 代表取締役CEO 川口 哲平
当社は「『街』の循環再生文化を育む」というビジョンを掲げ、解体工事を通じて多くの人々の豊かな暮らしの実現を目指しています。事業を行う中で、空き家問題の高まりを感じており、またその解決には自治体と民間事業者の連携が重要だと考えています。この度、熊本県内で初めてあさぎり町と連携協定を締結し、解体の領域で空き家対策のご支援ができることを嬉しく思います。弊社の解体に関する知識や経験・IT技術を活用し、安全安心なまちづくりの推進に尽力してまいります。
「すまいの終活ナビ」とは
相続した実家の家じまいや空き家処分を検討するにあたって、様々な情報を取得することができる家じまいポータルサイトです。主な機能として、土地建物の面積や最寄り駅、接する道の幅などの条件を入力することで、「解体費用」と解体後の「土地売却査定価格」の概算額を無料で算出することができます。
その他、「すまいの終活ナビ」からは下記サービスを利用することができます。
<空き家の迷惑度診断>
空き家の外観や敷地内の状況に関する22個の質問に答えることで、「特定空家等」の予備軍である「管理不全空家等」として指定される可能性を「空き家の迷惑度」として診断します。 国が示したガイドラインに基づいた設問となっており、簡単に所有する空き家が管理不全空家等に指定される可能性があるかを確認することができます。所有者が自身の空き家の状況を認識できるようにし、適切な空き家の管理を促します。
「お困り空き家の連絡フォーム」とは
迷惑な空き家がある場合に、空き家の状況や写真、所在地等の情報を入力して送信すると、自治体担当者のもとへ情報提供されます。 状態の悪い空き家が放置されていると、近隣住民への倒壊の危険性や衛生的な悪影響が発生します。管理が適切に行われていない空き家の検知・対応の円滑化、また空き家対策担当の業務DX化を促進します。
あさぎり町について(概要)
平成15年4月1日に、免田町・上村・岡原村・須恵村・深田村の5ヵ町村が合併して「あさぎり町」が誕生しました。熊本県の南部、球磨盆地の中央に位置し、南は宮崎県えびの市と小林市と接しています。町内を日本三急流のひとつに数えられている球磨川、国道219号、くま川鉄道が東西に走っています。気候は、比較的温暖多雨となっていますが、盆地特有の内陸性気候となっており、年間を通じて霧の発生が多い地域でもあります。面積は、南北22.5km、東西11.2kmで、南北に長い楕円形のような形をしており、面積は159.49平方キロメートルで約19%が農地、約65%が山林となっています。
株式会社クラッソーネについて(会社概要)
(※1)総務省「【総計】令和6年住民基本台帳人口・世帯数、令和5年人口動態(都道府県別)」より算出。都道府県連携や行政団体の対象自治体は省き、市区町村との締結を対象として算出した。
(※2)総務省「令和5年住宅・土地統計調査」より:https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/tyousake.html
(※3)旧サービス「くらそうね解体」の実績含む