1研究室と2企業による産学共同プロジェクト「産学共同デザイン 5W×1H×3P」は10月14日より、「5W×1H×3P(カケアワセ)EXHIBITION」と題し、3者のコラボレーションで生み出された新作ソファとその過程を展示発表する。開催は、「NAGOYA DESIGN WEEK 2009」の一環。
同プロジェクトには、名古屋工業大学伊藤孝紀研究室、住空間のデザインを手掛ける「TYPE A/B(タイプ・エービー)」(名古屋市東区代官町)とソファ専門店「フランネル ソファ」(中区大須2)が参加している。
今年4月、「子どもと一緒に使えるソファ」をテーマに行われたデザイン審査会でグランプリに選ばれた富田有一さん(同大学大学院修士1年)。半年を経て、学生が考えた一つのデザイン案に2企業の手が加わり商品として形になった。ソファは、「スフェリコン」と呼ばれる幾何学的な形で転がるのが特徴。何度も繰り返される音楽の形式と重ね合わせ、「Rondo(ロンド)」とネーミングした。
展示会は、フランネル ソファ ショールーム(同)と栄・テレビ塔内パークギャラリー(中区錦3)の2会場で行う。会場では、ソファの座り心地を体験できるほか、制作の様子、デザイン審査会で学生がどのような案を考えたのか、商品化の中でソファのカタチがどのように変わっていったのかなど、2企業と学生が「掛け合わされて」いったプロセスを、冊子などを用いて紹介する。
また、各会場に違いを持たせ、両方に足を運ぶことでソファの魅力を伝えられるよう工夫する。フランネルソファでは、職人の技術が集約された「ソファの木枠」と赤色の実物を展示し、パークギャラリーでは学生の個性が感じられる「コンペに提出された8作品の模型」と紺色の実物を展示する。
デザインを考案した富田さんは「どこから見ても違う印象を受ける形状が特徴で、人が座ることによっても印象が変わる。それぞれが自分の好きな角度や座り方を発見してもらえれば」とし、「実践的なことが学べる貴重な体験ができた。今後は実際の作り方を含めたデザインを考えていきたい」と意気込みをみせる。
プロジェクトに参加したフランネル ソファの和田さんは「独特の形をしたソファのデザイン性を維持しつつ、ソファはくつろぐスペースなので優しさが必要。実用化するため座り心地の良さにこだわった」という。「一つのものを半年以上という長い時間をかけてじっくり作ったことや、そのプロセス、柔軟な考えを持つ学生との共同作業の中には新たな発見が幾つもあり、いい経験になった」と振り返る。
展示会は18日まで。期間中、2会場でパーティーも開催する。パークギャラリー=14日(18時~21時、参加無料)、フランネル ソファ=17日(18時~21時、参加費1,000円)。