笑顔のアート「メリー・プロジェクト」を展開する名古屋・大須出身のアートディレクターの水谷孝次さんが3月27日、丸善名古屋栄店（名古屋市中区3、TEL 052-261-2251）内で自身初となる単行本「デザインが奇跡を起こす 『思い』を『カタチ』にする仕事術」（PHP研究所）の出版を記念したトークショーを開催する。名古屋で水谷さんがトークイベントに登場するのは今回が初めて。

　これまでデザインの世界で約20年間トップアートディレクターとして活躍してきた水谷さん。「バブルの時代や不況の時代など、さまざまな時代を、デザインを通して体感してきたが、現代はやはり言葉を大切にした、言葉を介したデザイン表現の時代だと思っている」と話す。「デザインはそもそも、感性やひらめきではなくて裏付けが大切。自分は初回のプレゼンの際には絵を見せるのではなくA4の紙1枚に言葉で説明することから始めているほど、ほとんど言葉で展開していく」とも。

　こうした考えを持ち合わせる水谷さんだからこそ、「ありがちな、出版を記念したパーティーや展覧会などはしたくなかった」と話す言葉も力強い。「大切なのは、言葉が伝えたり、交わしたりすることの空気感。トークイベントというよりは、言葉のワークショップ。車座でみんなで言葉を交わしながら進めていくイメージ」。

　「トークイベントではデザインの難しい話などするつもりはない」と水谷さん。「それよりも、より多くの人に通じる話をしていきたい。人生も、社会も、生活も仕事も、どんな場面でもより良い方向に構築していくことこそが『デザインすること』だと思っているので」。「年齢も性別も職種も関係なくより多くの人に来てほしい。何かひと言でも聞いてくれた人の心に言葉が残って、元気に笑顔になって帰ってもらえれば」と期待を込める。

　同店では現在、世界中の子供の「笑顔の作品」も展示している。トークイベントの開催時間は14時～15時。参加無料。参加予約は和書売り場各レジで受け付けている。定員になり次第受付終了。