「地獄絵」と「コンクリート仏像」-大須でトーク&スライドショー

左=地獄絵、右=浅野祥雲さんのコンクリート像

左=地獄絵、右=浅野祥雲さんのコンクリート像

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 名古屋在住のフリーライターでコンクリート仏師・浅野祥雲の研究を続けている大竹敏之さんが6月26日、大須のカフェ「モノコト」(名古屋市中区大須2、TEL 052-204-0206)で、地獄絵図研究家の鷹巣純さんを招いてトーク&スライドショーを開催する。タイトルは「仏教美術アウトサイド 地獄絵 vs コンクリート仏像」。

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 愛知教育大学の美術教育講座美術史担当の准教授の鷹巣さんは、日本でも数人しかいないという「地獄絵研究家」。大竹さんの友人が鷹巣さんの教え子であるという縁から、昨年朝日新聞で連載していた大竹さんのコラム「幻の人形師浅野祥雲伝」を読んでいるいう話を聞いた大竹さんが鷹巣さんにコンタクトした。

 浅野さんが作成した宗教テーマパークの五色園(日進市)に設置されている鉄筋コンクリート製の像の修復活動を行っている大竹さんが4月、鷹巣さんを修復イベントに招待。興味を持った鷹巣さんが教え子を連れて参加したことから関係が生まれイベント実現に至ったという。大竹さんは「鷹巣先生の地獄絵という研究テーマのニッチさと、わたし自身の取材テーマであるコンクリート仏像に相通じるものを感じ、一緒に何かやりましょうとお声がけした」と振り返る。

 当日について、大竹さんは「地獄絵とコンクリート仏、ともに見て楽しめるよう画像をフル活用する」と紹介する。「地獄絵の想像力」「地獄絵の笑い」「地獄絵の絵解き」をテーマに構成する予定だという鷹巣さんは「地獄絵に描かれたぶっ飛んだビジョンを紹介したり、日本の地獄表現が比較的笑いと相性がいいということ、地獄絵と芸能の結びつきの話をする」と話す。

 一方大竹さんは「祥雲作品を中心に、どのメディアでも紹介されていない未公開画像を多数披露して、パワフルかつカラフルなコンクリート仏の魅力を紹介する。昭和の宗教観光の歴史や、建材としてのコンクリートの普及など歴史的背景も絡めながら、昭和にコンクリート仏像が大量に作られた理由を考察していく」とも。

 イベントを通して大竹さんは「仏像ブームと言われているが、名仏・美仏を愛でるだけが宗教美術の楽しみ方ではない。日ごろ、あまり評価や注目されていない分野にも目を向けると、新たな世界が広がる」ことを伝えていきたいという。

 開催は17時から。参加費は1,000円。

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