「名古屋おもてなし武将隊」の名物パフォーマンスとなった「甲冑(かっちゅう)ダンス」が一新され、名古屋城二之丸広場で10月7日、新ダンス発表会が行われた。
昨年11月の結成式から早11カ月。名古屋城を拠点に全国各地で名古屋をPRしてきた「名古屋おもてなし武将隊」。土曜・日曜・祝日を中心に全員で行う演武「甲冑ダンス」は出陣以来話題を集め、今や多くのファンや観光客が詰めかけるパフォーマンスとなっている。
青空が広がる名古屋城での発表会となった当日、緊張した面持ちで登場した武将隊メンバー。新ダンスお披露目に向け、「今までやって来られた感謝の気持ちを舞に込めたい」(織田信長さん)、「(新ダンスに)自信を持っている」(豊臣秀吉さん)、「この素晴らしいパフォーマンスを会場に来られなかった人たちに伝えてほしい」(加藤清正さん)など、それぞれ意気込みを語った。
当日は、河村たかし名古屋市長はじめ、振り付けを担当したパパイヤ鈴木さん、楽曲を提供したHIKIE(ヒキエ)さん、けいこをつけたダンスユニットKoRocK(コロック)も応援に駆け付けた。
おなじみの「ちょんまげカチューシャ」をつけ、リーグ優勝を決めた中日ドラゴンズの応援歌「燃えよドラゴンズ」を歌いながら機嫌よく登場した河村市長。「どえりゃ人気でありがたい。いよいよ紅白も近いので狙わんと」とエールを送ると、すかさず信長さんから「わしらは歌は歌わんでの」と突っ込みが入り会場が笑いに包まれた。
ロケで名古屋城を訪れたとき武将隊を見て、「一発で虜(とりこ)」になり今回、無償で引き受けたというパパイヤ鈴木さんは「武将宿の女将のような着物姿」で登場。「愛のために戦い続けた男たちをテーマに振り付けた」と思いを語った。楽曲について、「一瞬でダンスのイメージが沸いた」と絶賛するパパイヤさんの言葉を受け、「映画をみるように緊迫した感じを出した」とHIKIEさん。KoRocKのメンバーは「ダンスを教えるとき教科書の中に人たちが目の前にいて緊張した」と振り返った。
ドラマチックな曲とともに力強いパフォーマンスを繰り広げ、一回り成長した姿を見せた武将隊。演武が無事に終了すると武将隊メンバーの顔が紅潮し、信長さんの目からは涙がこぼれ落ちた。見守った観客らにも武将隊たちの熱い思いが伝わり、目頭を押さえるファンの姿も。
新ダンスを見た河村市長は「時代を変えるパワーがある」と高評価、「後々はブロードウェーも…」と夢を広げた。この日、「名古屋おもてなし武将隊 ダンス奉行」に任命されたパパイヤさん。「これからもいいものを一緒に作っていきたい。今日はおかみのような格好だが、今度は自分も武将になって一緒に踊りたい」と意気込んだ。最後に武将隊を代表して信長さんが「みんなに習ったこと、すべて生かしてさらに上を目指したい。応援をお願いします」と締めくくると、会場から大きな拍手が沸き起こった。