2009年10月に名古屋花柳界で舞妓(まいこ)デビューを果たしたゆき乃さんが2月20日、20歳の誕生日を迎え、誕生日会を開いた。
誕生日会を主催したのは、名古屋を中心に活動を続ける着物愛好家グループら。当日はミクシイのコミュニティーなどで集まったという、日本髪を結った女性や着物姿の男性など約30人が集合した。「私たちのような普通の人がお祝いできるというのは、ほかの地域ではあまりないのでは。ゆき乃さんは、本当に名古屋のみんなに愛されている舞妓さん。みんなでお祝いできるのはとてもうれしい」と話すのは、グループの1人、樋渡昌寛(ひわたしまさひろ)さん。
ゆき乃さんはこれまで「名古屋花柳界を少しでも身近に感じてもらえれば」と、着物愛好家グループらが主催するイベントにも積極的に参加している。「皆さん和文化をとても愛していて、積極的に活動をしていらっしゃる。名古屋花柳界にも興味を持っていただいているので、自分もできる限りフレキシブルにお手伝いしたい」と話す。「自分が積極的にいろいろな場所に顔を出していくことで、名古屋花柳界の存在をより多くの人に知ってもらい、興味をもっていただくきっかけになれば。そうすることで、より一層名古屋花柳界も盛り上がるのでは」とも。
名古屋に来て1年5カ月になるというゆき乃さん。「お稽古とお座敷に上がることで毎日が過ぎていき、名古屋に来てからは本当にあっという間に時間が過ぎていく」とし、「たまには洋服を着て、多くの学生さんがしているように、ディズニーランドに行って遊びたいと思うこともある(笑)」と二十歳らしい一面ものぞかせる。しかし「お稽古は厳しくても好きでやっていることだし、やった分だけ上達することを感じられるのでまったく苦にはならない。着物を着て生活している今の自分は、逆に言えば、滅多にできる経験ではないので魅力を感じている」とも。
着物愛好家グループのひとりの亀井朝香さんはゆき乃さんの言葉を受け、「若い世代の人らしく、何事にも縛られずに活動しているところが本当に魅力的。こうして頑張っているゆき乃さんや名古屋花柳界のことを、より多くの人に知ってもらえれば」と期待を込める。