7月24日正午、地上派アナログ放送の電波塔としての役目を終えた名古屋テレビ塔(名古屋市中区錦3)。それに伴い、今後のテレビ塔について市民で考えようと、NPO法人「大ナゴヤ大学」がアンケート企画「存続 or 撤廃。市民と考える名古屋テレビ塔」を始めた。
名古屋の街のシンボルとして愛されている「名古屋テレビ塔」だが、電波塔としての役目がなくなることで、アナログ放送機器設置料などでこれまで得ていた収益が減るほか、耐震補強や改装工事も必要に。存続するためには多額の金銭面的な問題に直面する。
大ナゴヤ大学では、そうした問題を市民間で共有し、新たなテレビ塔の役割を見いだそうとプロジェクト「名古屋テレビ塔 ”終わりは、はじまり”プロジェクト」を立ち上げた。今回のアンケート企画はその一環。プロジェクトでは、市民へのアンケート企画のほか、テレビ塔周辺で生活をしたり仕事をしたりしているさまざまな人たちにインタビューを展開。テレビ塔へのそれぞれの思いを浮かび上がらせていく。そうしたさまざまな声を集約し、テレビ塔について考え意見を交わすイベント「Think! テレビ塔」を9月25日、同塔下のイベントスペースで開催する予定。
アンケート開始当日は、名古屋テレビ塔下に設置されたアンケートスペースに多くの人が足を止め、アンケートを記入する姿が見られた。中には「57年前のテレビ塔オープン当日に親に連れられてテレビ塔に来た」という年配男性の姿も。大ナゴヤ大学の加藤慎康学長は「多くの人の思い出とテレビ塔がつながっていると実感した一日になった。存続、撤廃などさまざまな側面からフラットな感覚で、多くの人たちと一緒に『名古屋テレビ塔の今後』を考えることができれば」と期待を寄せる。
アンケートは、テレビ塔下のアンケートボックスのほか特設サイトでも受け付けている。9月25日まで。