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「あいちトリエンナーレ」のテーマ決まる-参加アーティスト4人が発表に

新たに発表された「あいちトリエンナーレ2013」のロゴマーク

新たに発表された「あいちトリエンナーレ2013」のロゴマーク

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 2013年に開催される国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2013」のテーマが10月21日、愛知芸術文化センター(名古屋市東区東桜1)で発表された。

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 テーマは「揺れる大地-われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活」。あいちトリエンナーレ2013芸術監督の五十嵐太郎東北大大学院教授は「現在は荒波の時代。あいちトリエンナーレ2013は、日本が大きな試練を迎え転換を迫られる中で世界に文化芸術を発信する国際展となる。先端的なアートを紹介する第1回の長所を継承しつつも、荒波を越えていくための新機軸や時代性を織り込んでいく」と話す。

 愛知県立芸術大学出身の奈良美智さんをはじめ、青木野枝さん、石上純也さん、名和晃平さんら、4人のアーティストのトリエンナーレ出展の発表も行われた。奈良さんは、にらみつける子どもをモチーフにしたドローイングや絵画で知られ、日本の現代美術を代表するアーティストの一人。青木さんは鉄を素材とした作品を発表するアーティスト。美術館の展示室内に限らず、屋外への作品設置にも意欲的に取り組んでいる。石上さんは大胆なアイデアに基づいた空間と構造物を作り建築の可能性を広げる建築家。イタリアで開催された2010年のヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展で金獅子賞を受賞した。名和さんはビーズやプリズム、発泡ポリウレタンなど現代的な素材を用いた彫刻作品を制作する若手アーティスト。

 選出理由について、五十嵐芸術監督は「場所や空間についての喚起力が強い作家を選んだ。参加アーティストの総数はまだ検討中だが、国際芸術祭として認められるには前回同様の作家数とレベルが水準」と紹介する。

 同日夕方からシンポジウム「美術と身体 建築と場所」が開催され、五十嵐芸術監督と京都造形芸術大学大学院長で批評家の浅田彰さんが対談した。前回のトリエンナーレは観客、アートファンとして楽しんだという浅田さんは「今、日本は戦後と同様、廃虚から新しい建築をデザインすべき時に来ている。文明論として日本のメッセージを発信してほしい。テーマが復活という言葉になったが、新生くらいに思って21世紀の新しい文明を作り出すトライアルしてほしい」と期待を込めた。五十嵐芸術監督は「揺れる大地というテーマは、今は東日本が強く意識されるかもしれないが、2年後には言葉の持つ多義的な意味が広がるはず」と話し、浅田さんは「アーティストならではのレスポンスが出てくることを期待している」と話した。

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