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コミュニティー・サイクルの個人認証に「マナカ」利用-名工大が実証実験

名古屋工業大学内で展開しているコミュニティサイクル実証実験のようす

名古屋工業大学内で展開しているコミュニティサイクル実証実験のようす

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 名古屋工業大学(名古屋市昭和区御器所町)は現在、IC乗車券「manaca(マナカ)」を活用しコミュニティー・サイクル(共有自転車)の利用をスムーズにする実証実験を行っている。運営するのは同大伊藤孝紀研究室。

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 実験は、同研究室と建設会社「蔦井」(西区)の協力で実施。「電子マネー(交通系ICカード)」を用いた決済と個人認証を可能にするのがシステムの特徴。国内外の事例ではクレジットカード決済が一般的で、電子マネーのみの決済システムは全国初の試み。伊藤准教授は「日本ではIC乗車券の普及性が高いことからマナカの活用を決めた」と話す。

 電子マネーは身元確認が難しく「乗り逃げ」の恐れがあるため、実験では、マナカ利用者の携帯電話番号などを個別に登録してもらい、ある程度の本人確認ができるよう工夫。自転車の利用状況も把握できる。利用状況は登録したアドレスに送信される。

 実験は11月末まで2カ月間実施し、学生と大学職員計20人が協力。学内2カ所に専用駐輪場を設け、計4台の専用自転車を置いた。駐輪場の読み取り機にマナカをかざせば、自転車の鍵が解除される。実験では料金が発生しないが、料金は借りた時間に応じて加算される仕組み。来年6月には学外にも駐輪場を設け実験を広げる方針だ。

 伊藤准教授は「「交通システムは体系的に考えるべきで、地下鉄・バスとの乗り換えを容易にすることの効果は大きい」とマナカ利用のメリットを説明。「実験がうまくいけば、名古屋市が運営するコミュニティー・サイクル『名チャリ』や、同じような取り組みを考えている自治体に導入を訴えていきたい」と話す。

 実験開始から1カ月が経過した。「学生と職員が使っているが、特に学生は、学内だけではなく、買い出しに使うなど、30分~1時間程度の学外での利用が目立っている。中には数時間使う学生も。頻繁に使ってもらえている状況なので、コミュニティー・サイクルの必要性を実感できつつある」とも。

 学内の実験は11月30日まで。

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