2013年に開催される国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2013」の記者発表が7月25日、愛知芸術文化センター(名古屋市東区東桜1)で行われ、新たな参加アーティスト、公式デザイナーなどが発表された。
同祭は「揺れる大地-われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活」をテーマに、来年8月10日から10月27日の79日間にわたり、愛知芸術文化センター、名古屋市美術館や長者町地区、納屋橋地区などの名古屋市内各地と、岡崎市内で開かれる。
新たに発表されたアーティストは11組。参加するのは、アーティスト、音楽家のオノ・ヨーコさん、建築家の宮本佳明さん、愛知県出身で名古屋を拠点に活動する杉戸洋さんら。五十嵐太郎芸術監督は「参加するアーティストは計23組になり、全体の3分の1が発表できた。来年の3月までには全作家を発表したい」と話した。
この日は参加アーティストの一人、青木野枝さんが登壇。青木さんは「愛知県では何度も展覧会をやっているので、参加できることがとてもうれしい。揺れる大地というテーマを受け、彫刻家にどういうことができるのかを考えている。自分にとって初めてということが起こるはずで、ものすごくわくわくしている」と話した。
新たに公式デザイナーとして廣村正彰さんも就任。廣村さんがデザインしたトリエンナーレのメーンビジュアルが発表された。廣村さんは「(同祭は)大きな時代のうねりを越えて開催される。街が現代美術やパフォーミングアーツによって開かれ、アートの力で場所と人々に希望が満ちることを期待する」とコメントした。
トリエンナーレの普及・教育事業を統括するコミュニティー・デザイナーには、菊池宏子さんが就任した。菊池さんは「テーマ関連プログラム、キッズトリエンナーレといったプログラムの普及・教育活動の統括と、ガイドボランティアなどの人材育成や管理を担当する。人々をさまざまなプログラムや対話で結びつけ、そのコミュニティーをより開かれたものにする仕組みづくりがトリエンナーレでの仕事になる。風通しのよい環境の中で人々の参加の機会を広げていきたい」と意気込みを語った。
8月1日からはボランティアの募集を開始。五十嵐監督は「前回のトリエンナーレでも多くの方が協力してくれた。作品によっては多くの人の協力が必要なものもあるので、今回もマンパワーが欲しい。トリエンナーレのファンが増え、ボランティアなどで関わりを持ってくれることは重要。3回目以降を続けていくためには、そこが一番大事だと思う。多くの方の力を期待している」と話した。菊池さんは「街にあふれている知恵を大切にしたいと考えている。市民の方と協力して、それを丁寧に拾い上げていきたい。いろいろな方に積極的に参加してほしい」と呼び掛けた。
今後は8月10日に開幕1年前イベントとして行われる「けんちく体操ワークショップ」など、さまざまな関連イベント、プログラムを予定する。