栄のロックバー「BUTANOGU(豚の自由)」(名古屋市栄5)が9月末、19年間続けてきた営業を終える。
「もともとロックバーにしようとしては思っていなかったが、好きでかけている音楽の多くがロックだったことから自然にそうなった」と店主の山本真司さん。もともとは、音楽好きやカルチャーに長(た)けている友人らと遊び、よく飲みに行っていたといい、「いつか自分で遊び場を作れたら」と振り返る。
名古屋の音楽関係者、山本さんも好きなサッカー通、ファッション、建築家、デザイナー、アーティストなどクリエーティブな仕事をしている人など、多彩なジャンルの人が集まる店として知られた。朝まで営業していることから、音楽業界で働く人がライブを終えた外国人アーティストを深夜に連れてくるほか、クラブイベント帰り、飲食店や夜の仕事を終えてくる客も。そのほか、常連客が手作りピザパーティーやDJイベントを開くなど、さまざまに利用されてきた。
「普通に生活していたら出会わない人同士の交流があった」。出会った者同士が新たな活動を始めたることも。
閉店の情報は大々的に伝えてはいないが、口伝えで広がっている。「遠方から懐かしい顔も来てくれて、うれしい。閉店が決まってからよく来てくれるようになった新しい顔もいるので申し訳ない(笑)」と山本さん。 「店を続けてきて、いろいろな人と話ができた。いろんなジャンルのコアな話を聞けて、とても面白かった。店は終わるけど、自分にとっては次が始まる」とも。
営業時間は20時~翌3時。営業は今月29日まで。