名古屋テレビ塔(名古屋市中区錦3)で4月17日、同塔60周年記念事業の「新ライティング・煌」および「光の万華鏡」に関する記者会見が行われた。
会見には、名古屋テレビ塔社長の大澤和宏さん、同社常務の若山宏さんのほか、ライティングのプロデュースを行った日建建設の海宝幸一さん、照明のデザインを担当したライトモーメントの田中圭吾さん、夜景評論家の丸々ともおさんらが出席した。
今回の目玉企画となる塔体ライティング「煌」は、塔を最大1760万色のLEDを使ってテレビ塔の特徴を生かしながら、さまざまな表情を作り出すライトアップ。「ダイヤモンドの輝きをイメージした」(田中さん)という照明は、ベーシック(通常)モード、ローリングシンチレーション(30分ごとのシーン)、グレイジングシンチレーション(1時間ごとのシーン)、スリープ(深夜)モードの4バージョンのライティングのほか、クリスマスやバレンタインなど時季に合わせたシーズナルシーン・スペシャルシーンを予定している。「25年間市民の皆さんに親しまれているテレビ塔のライトアップを一新するのではなく、今ある投光器を生かしながら普遍的な輝きを加えるものを考えた」と田中さんは話す。
「塔のライトアップは外の人が見て楽しめるものだが、展望台に上った方にも楽しんでいただけるように」(大澤社長)と、期間限定のライトアップ企画「光の万華鏡」を同塔のスカイデッキとスカイバルコニーで開催する。
夜景評論家の丸々さんがプロデュースした同企画は、スカイバルコニーに多数のイルミネーションを用いて万華鏡模様の光の空間を創出し、万華鏡の中に入り込んだような幻想世界の中に美しい夜景を呼び込む。また、スカイデッキではカメラに万華鏡を設定し、名古屋の夜景を撮影すると名古屋の夜景が万華鏡になるという。丸々さんは「この先を見通せる光、今までにない光を実現して夜景を観光資源にしたい」と話す。
大澤社長は「60周年ということは還暦。原点に戻って栄地区としての公共空間の魅力を創出し、地域や民間企業と連携して街の活性化につなげたい。この企画が現在・将来へ情報発信をしていくための一つの起爆剤になれば」と期待を込める。総工費は約1億円。
新ライティングは5月中旬から器具を取り付けて開業記念日の6月20日にお披露目予定。「光の万華鏡」の開催期間は7月1日~9月28日。