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「アートラボあいち」で「あいちトリエンナーレ」出展作家のトークイベント

「アートラボあいち」でトークイベントを開いたリビディウンガ・カルドーゾさん

「アートラボあいち」でトークイベントを開いたリビディウンガ・カルドーゾさん

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 丸の内の「アートラボあいち大津橋」(名古屋市中区丸の内3)で10月12日、「あいちトリエンナーレ2016」参加アーティストのリビディウンガ・カルドーゾさんのトークイベントが開催された。

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 「アートラボあいち」はトリエンナーレや現代アートに関する情報の提供、愛知県内の芸術系大学と連携した定期的な展覧会の開催などを行う施設として、大津橋と長者町に8月にオープンした。

 カルドーゾさんはブラジル出身。社会科学の学術と芸術表現の間にあるあいまいな領域で活動を続けるアーティスト。9月に作品制作のリサーチのため、初めて日本を訪れた。

 今回のイベントでは、展覧会、インスタレーション、パフォーマンスなどカルドーゾさんの芸術活動を映像や音声で紹介。フィクションとリアルを織り交ぜた作品づくりや、歴史や政治などの重いテーマにおけるユーモアセンスの大切さなど、カルドーゾさんの創作姿勢やテーマへの取り組み方を解説した。

 イベント後半は、これからの創作活動のイメージを披露。カルドーゾさんは「今までポストコロニアルの思想をベースに創作をしてきたが、自分は過渡期を迎えていると感じる。国、政府、国境などに縛られない、地球規模の広い視点に立って考えていきたい。島が水没するなど、人間の影響で自然が変わってきていることは見過ごせないし、人間側の歴史から自然を見ることに限界を感じている。日本の神道に見られるようなアミニズム的な考え、火や石などに神性を見いだす視点は太古のブラジルにもあった。人類共通の生命観、自然観が必要な時期が来ている」と話す。

 今回の来日では名古屋、岡崎、豊橋などのトリエンナーレ開催地のほか、常滑、浜松、東京、京都などを精力的に回ったという。「初めての東京は狂騒的で刺激的すぎてブラジルのサンパウロと同様の疎外感があった。文化人類学的興味が強くなった今の自分には、愛知で出合った文化にとても親近感があり、印象的だった。トリエンナーレスタッフと話し合って魅力的な土地を選び、インスタレーションを行いたい」と来年への意気込みを語った。

 その後、カルドーゾさんは来場者からのポストコロニアルや芸術と政治についての質問に丁寧に答え、イベントは終了した。

 「あいちトリエンナーレ2016」は「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」をテーマに、来年8月11日から10月23日の74日間にわたり開催される。

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