
料理と日本酒のペアリング体験を提供するレストラン「熊谷とあかぼし」が3月31日、名古屋観光ホテル(名古屋市中区錦1)地下1階にオープンした。
「熊谷とあかぼし」を手がける料理人の熊谷道弘さんと利酒師の赤星慶太さん
2023年8月に「大人の隠れ家」をコンセプトにした「やきとり 八百万」、「おでん拍子木」をオープンした同ホテル。同店は同シリーズ3店舗目としてオープンした。
席数は、カウンター=9席、個室=4席。料理人の熊谷道弘さんが作る料理にワインソムリエで利酒師の赤星慶太さんが選んだ日本酒を合わせて提供する。
熊谷さんと赤星さんはニューヨークで出会った。15歳で料理の道を志したという熊谷さんによると、日本料理店とイタリア料理店で修業後、単身で渡ったニューヨークで南米や北欧、東南アジアなど世界の料理を学んだという。赤星さんは16年にわたりニューヨークを拠点に日本の地酒を広める活動を行ってきた。共同で、酒バーを開いたこともある。2人は2015(平成27)年に帰国。東京の麻布十番に「赤星とくまがい」をオープンした。同店は2020年に閉めた。今回、同ホテル運営会社からの声掛けでオープンに至った。「ペアリングを提供する店は名古屋ではあまりないと思う。東京では流行りに落ち着きが見られるが、ペアリングの大切さを改めて伝える場所としたい」と赤星さん。
「熊谷とあかぼし」では、デザートなど料理6品それぞれにペアリングした日本酒をコース形式で提供する。用意する日本酒は約200種類。ジャンルにとらわれないという料理は季節に合わせた内容で約2カ月ごとに変える。
赤星さんによると、風味や香りなど合わせる要素は料理の酸と日本酒の酸を合わせるなどさまざま。組み合わせを工夫することで、料理と日本酒双方のうまみや深みを引き出すことができたり、魚の臭みなどを打ち消すことができたり、風味が同化する感覚を楽しむことができたりするという。「日本酒の味が料理を食べる前と料理と合わせた時とで異なることを感じてもらいたい。一つのグラスで違う味わいが楽しめる」と話す。日本酒は、客席にあらかじめセットしたグラスに料理の提供に合わせて注いでいく。「少し飲み残しておいて、次の料理の時に飲んでもらって合わないのを感じてもらうこともできる」とも。
価格は1万3,000円(サービス料別)。個室利用料は1室5,000円。
同店の営業時間は17時~22時。日曜定休。毎週月曜は赤星さんが店頭に立って接客する。