大須大道町人祭-60年に一度の「お鍬祭り」で巨大くじらパレードも

大須商店街内で制作中の巨大くじらの作り物。

大須商店街内で制作中の巨大くじらの作り物。

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 大須商店街連盟(名古屋市中区大須3、TEL 052-261-2287)は10月19日~21日、「大須大道町人祭」を開催する。

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 「大須大道町人祭」は今年で30回目の開催となり、「原点回帰」をテーマにさまざまなイベントを行う。テーマについて実行委員長の小寺さんは「もともと景気が悪かった大須の町おこしのために始まったもの。30年続けてきて、町人の方々も慣れが出てきたが、最初の気持ちを呼び起こして再度頑張っていこうという気持ちの現れ」と話す。

 「大須大道町人祭」では、大道芸人が大須商店街の中で路上パフォーマンスを繰り広げるほか、一般公募で選ばれた女性たちによる「おいらん道中」、「異種格闘技大会」などが行われる。それに加え今年は30周年を記念して、約60年に一度の周期で行われる「お鍬(くわ)祭り」をアレンジした「平成大須の『お鍬祭り』」が開催される。同祭のボランティアをしている名古屋市博物館の学芸員からの紹介をきっかけに、ちょうど60年目に当たる今回に行うことになった。

 「お鍬祭り」とは豊年を祝う祭りで、起源は江戸時代までさかのぼる。鍬形の枝を神体とした「御鍬様」を村々に送り次ぐ目的で、作り物、仮装など賑やかな行列で村々を練り歩いた。「平成大須の『お鍬祭り』」は、「お鍬祭り」の資料に基づき巨大くじらの作り物と、今回のために考案された巨大たこの作り物をメーンにパレードを行う。2体の作り物は、大須商店街を東西に分けて、東=巨大たこ、西=巨大くじらをそれぞれ制作し、パレードで「できの良さ」や「盛り上がり」で対抗する。

 巨大くじらは、長さ11メートル。「もともと9メートルの予定が作っていくうちに大きくなってしまった」という。素材は、「色の具合がちょうど良かった」というデニム生地でできており、潮を吹く仕掛けを持つ。祭り終了後は名古屋市博物館に展示される予定。巨大たこは高さ4メートルで、「多幸」という言葉をきっかけに「たこ」に決めた。墨を吹くほか、足が動く仕掛けを持ち、ひょっとこのお面をかぶった人によりパレードが行われる。そのほか、名古屋市博物館による「おたふく面」や、ボランティア隊による「招き猫」の巨大作り物のパレード、商店街連盟の男性が仮装をする「オカマの花魁道中」など、すべて昔行われた由緒正しい行事をアレンジし平成版として再現する。開催は19日14時から。

 「企画から制作、衣装まで、すべて商店街の人たちで作り上げており、本職の合間をぬってみんなで作業をしてきた。大須商店街ならではの団結力の強さ、仲の良さがあってこそできること。全国に向けて大須をどんどんアピールしていきたい。中でも、『お鍬祭り』は今年を逃すと2067年まで開催されないので、この機会にぜひ見に来てほしい」(小寺さん)と話す。

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